公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問12 (午前 問12)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問12(午前 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

質問紙法を用いたパーソナリティ検査について、正しいものを1つ選べ。
  • 検査得点の一貫性のことを妥当性という。
  • α係数は、検査項目の数が多いほど、低い値をとる。
  • 再検査法では、2時点の検査得点間の相関係数を用い、検査の安定性をみる。
  • 検査が測定しようとしているものを正しく測定できている程度のことを信頼性という。
  • 検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合が高いほど、検査結果の解釈が妥当になる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

各選択肢については以下の通りです。

1.検査得点の一貫性は妥当性ではなく、信頼性のうちに入ります。よって選択肢は誤りです。

2.α係数は、検査項目の数が多いほど高い値をとります。よって選択肢の内容は誤りです。

3.再検査法とは、同じテストを間隔をおいて同じ対象者に二度行うことによって、検査の信頼性を評価する方法です。よって、選択肢は正しいです。

4.信頼性ではなく、妥当性です。よって選択肢の内容は誤りです。

5.検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合は、信頼性係数と呼ばれています。分散の割合が高い場合、検査結果の解釈はより難しくなります。よって選択肢は誤りです。

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02

正答は3です。

1 妥当性とは、測定したいものがどの程度的確に捉えられているかということを指します。

一方、信頼性とは、測定して得られた結果の正しさ、データの安定性(一貫性)を意味します。

したがって、選択肢の説明は信頼性の内容であり、誤りとなります。

2 α係数(クロンバックのα係数)とは、信頼性の指標となる値であり、項目間で回答がどの程度一貫しているかといった内的整合性を示します。項目の数が多くなるほどα係数は高い値となり、α係数が高いほど信頼性は高いとみなされます。したがって、誤りとなります。

3 記述の通りです。再検査法とは、同一の対象に時間の間隔を置いて同一の検査を行うことを指します。2つの得点間の相関係数を算出し、安定性(再現性)によって信頼性を見ることができます。

4 (1)に示したように、選択肢の内容は妥当性の説明であるため、誤りとなります。

5 古典的テスト理論においては、検査得点から誤差を引いたものが真の値であり、検査得点の分散に占める真の値の分散の割合のことを信頼性係数と呼びます。この信頼性係数が大きいほど信頼性は高くなると言えます。ただし、妥当性については測れないため、「検査結果の解釈が妥当になる」とは言えないことから、誤りとなります。

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03

質問紙法を用いたパーソナリティ検査の質を評価する際、信頼性(reliability)と妥当性(validity)が重要な指標になります。信頼性は測定の一貫性や安定性を指し、妥当性は検査が測定したい内容をどの程度正確に測定しているかを示します。

 

本問題では、これらの指標や関連する概念についての理解が求められます。

以下、各選択肢を検討します。

選択肢1. 検査得点の一貫性のことを妥当性という。

検査得点の一貫性は信頼性を指します。

一方、妥当性は「検査が測定しようとしているものを正しく測定しているか」を示す指標です。

この選択肢は、信頼性と妥当性を混同しているため誤りです。

選択肢2. α係数は、検査項目の数が多いほど、低い値をとる。

α係数(クロンバックのα)は、検査項目間の一貫性(内的整合性)を測定する指標であり、項目数が多いほど、一般的に高い値をとる傾向があります。

この選択肢は、α係数に関する誤解を含むため誤りです。

選択肢3. 再検査法では、2時点の検査得点間の相関係数を用い、検査の安定性をみる。

再検査法(test-retest reliability)は、同じ検査を異なる時点で実施し、その得点の相関係数を算出して検査の安定性を評価する方法です。

この方法は、検査結果が時間経過に対してどの程度安定しているかを示すため、信頼性を評価する一般的な手法の1つです。

この選択肢は正しいです。

選択肢4. 検査が測定しようとしているものを正しく測定できている程度のことを信頼性という。

検査が測定したいものを正確に測定しているかどうかは妥当性を示します。

一方、信頼性は検査結果の一貫性や安定性に関する指標です。

この選択肢は妥当性と信頼性を混同しているため誤りです。

選択肢5. 検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合が高いほど、検査結果の解釈が妥当になる。

検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合が高いことは、信頼性が高いことを示します。

ただし、信頼性が高くても、その検査が測定したいものを正確に測定できているとは限らず、妥当性を保証するものではありません。この選択肢は誤りです。

まとめ

再検査法は、同じ検査を異なる時点で実施し、得点間の相関係数を用いて検査の安定性を評価する手法であり、信頼性を測定する重要な方法です。これを正しく述べているのは、「再検査法では、2時点の検査得点間の相関係数を用い、検査の安定性をみる」です。

他の選択肢は、信頼性や妥当性に関する定義や指標を誤解しているため、不適切です。

 

 

 

 

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