公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問17
この過去問の解説 (2件)
正解は5です。
各選択肢については以下の通りです。
1 紹介状及び紹介状への返事はクライエントにも見せる前提で書かれています。よって、選択肢は誤りです。
2 チームケアの考え方から、上司が他に口外しないことが前提として上司にも内容の報告をする必要があります。よって、選択肢は誤りです。
3 録音する際は、必ず事前にクライエントの許可をとることが必要です。よって、選択肢は誤りです。
4 様々な専門職が目にする報告書となるため、誰にでもわかる表現で書く必要があります。よって、選択肢は誤りです。
5 客観的な情報(クライエントから得られた情報)のみではなく、主観的な情報(援助者が感じた情報)も有益となることがあります。よって、選択肢は正しいです。
正答は5です。
1 紹介状(診療情報提供書)とは、医師が他の医師や医療機関へ患者を紹介する際に作成される書類であり、内容としては患者の個人情報と治療経過の報告が記載されています。
紹介状は、原則として患者から開示請求があった場合は応じる必要があるとされており、紹介状の返事についても同様に扱われるとことになると考えられるため、「クライエントには見せない」との記述は適切とは言えません。
2 基本的には守秘義務が発生しますが、集団守秘義務・チームとして守秘義務を持つとの考え方の下に、ケース検討やスーパービジョンなど専門家同士で情報を共有する場面はあり、そうした場合においては、面接内容を上司に報告することは少なからず発生すると考えられます。また、自傷他害の恐れが高い場合や児童虐待の疑いなど、法令や社会的責任が守秘義務よりも優先される場合は、上司に報告する必要があると考えます。したがって、「報告しない」との記述は適切とは言えません。
3 録音する際は、あらかじめクライエントの同意を得ることが必要であるため、不適切となります。
4 他職種(多職種)との連携においては、全員が理解できるような言葉で伝えることがスムーズな支援につながるため重要です。専門用語を多用するよりも分かりやすい表現を用いることを心掛ける必要があり、記述は不適切です。
5 記述の通りです。インテーク面接においては、クライエントのイメージを伝わりやすく記録することが望ましく、表情や動作、服装など観察に基づいた非言語的な情報に関する面接者の印象を記録しておくことは重要と言われています。
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