公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問19 (午前 問19)
問題文
過敏性腸症候群<IBS>について、正しいものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 問19(午前 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
過敏性腸症候群<IBS>について、正しいものを1つ選べ。
- 感染性腸炎は、発症と関連しない。
- 内臓痛覚閾値の低下が認められる。
- 我が国の有病率は、約2%である。
- プロバイオティクスは、有効ではない。
- 下痢型IBSは女性に多く、便秘型IBSは男性に多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は2です。
過敏性腸症候群(IBS)とは、腸に異常がないにもかかわらず、便秘や下痢などの症状が続く疾患であり、症状の内容によって、「便秘型」「下痢型」「混合型(下痢と便秘を繰り返す)」に分けられます。発症には様々な要因が挙げられますが、ストレスによる影響も指摘されています。
1 過敏性腸症候群の発症については、ストレスによる影響など様々な要因が挙げられています。細菌やウイルス感染による感染性腸炎も要因のひとつであると考えられており、関連性はあると言えます。したがって、誤りとなります。
2 痛覚閾値が低下することは、痛みを感じやすくなる(より少ない刺激で痛みを感じる)ことを表します。過敏性腸症候群は、消化管の運動異常のほか、痛みを感じやすい知覚過敏の状態になると言われており、記述は正しいです。
3 過敏性腸症候群の有病率については、10%~20%程度であると言われており、記述は誤りとなります。
4 過敏性腸症候群の要因のひとつとして、腸内細菌が関与している可能性も示唆されており、治療においてビフィズス菌や乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取することが有効であるとも言われています。したがって、記述は誤りとなります。
5 一般的に、男性は下痢型、女性は便秘型が多いとされており、記述は誤りとなります。
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02
正解は2です。
各選択肢については以下の通りです。
1.感染性胃腸炎に罹患した場合、回復した後に過敏性腸症候群を発症することがあり、関連すると言われています。よって選択肢の内容は誤りです。
2.過敏性腸症候群では、内臓痛覚閾値の低下が認められます。よって選択肢の内容は正しいです。
3.過敏性腸症候群の有病率は、人口の約14%です。よって選択肢の内容は誤りです。
4.プロバイオティクスには、腸内細菌叢の状態を整える作用があります。過敏性腸症候群は、ストレスを減らすことや食事指導の他に、薬剤、乳酸菌などの摂取というプロバイオティクスが有効とされています。よって選択肢の内容は誤りです。
5.下痢型IBSは男性に多く、便秘型IBSは女性に多いです。よって選択肢の内容は誤りです。
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03
過敏性腸症候群(IBS)は、消化管の機能障害によって腹痛や便通異常が慢性的に繰り返される疾患です。腸そのものに構造的異常は認められないものの、ストレスや心理的要因、腸内環境の変化、腸脳相関の異常などが関与しています。
IBSの主な病態には、内臓痛覚過敏、腸運動機能異常、腸内細菌の不均衡が挙げられます。
本問題では、IBSに関する正しい記述を選択します。
IBSの一部は、感染性腸炎がきっかけで発症することが知られています。これは「感染後IBS」と呼ばれ、腸炎の後に腸の過敏性が長期間残ることで発症します。
この選択肢は誤りです。
IBSの患者では、腸の痛覚に対する感受性が高まる「内臓痛覚過敏」が特徴的です。これは、腸内で通常は感じない刺激が痛みや不快感として知覚される状態を指します。
この内臓痛覚閾値の低下は、IBSの診断や治療の重要なポイントの1つです。
この選択肢は正しいです。
IBSの有病率は、我が国では約10~15%とされています。この疾患は男女問わず多くの人々に見られるもので、2%という値は大幅に低いです。
この選択肢は不適切です。
プロバイオティクス(腸内細菌のバランスを整える乳酸菌やビフィズス菌など)は、IBSの症状緩和に効果があるとされています。
特に腸内環境の改善を通じて腹痛や便通異常を軽減することが示されています。
この選択肢は誤りです。
実際には、下痢型IBSよりも便秘型IBSが女性に多く見られます。また、男性では下痢型IBSが多い傾向があります。
この選択肢は事実と逆の記述をしているため不適切です。
過敏性腸症候群(IBS)の特徴として、内臓痛覚閾値の低下がみられます。これは腸内の通常の刺激に対して過敏に反応することを示しており、IBSの主な病態の1つです。
他の選択肢(感染性腸炎との関連、有病率、プロバイオティクスの効果、性別による便通型の違い)は、事実と異なるか誤解を含んでいるため不適切です。
したがって、正答は内臓痛覚閾値の低下が認められるです。
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