公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問25 (午前 問25)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問25(午前 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

学校心理学における心理教育的援助サービスの考え方について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 心理面の援助を中心に行う。
  • スクールカウンセラーが単独で援助する。
  • スクールカウンセラーに援助を求める子どもを対象とする。
  • 非行をする子どもなど、援助ニーズの高い子どもを対象とする。
  • スクールカウンセリング活動は、学校教育の一環として位置づけられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

各選択肢については以下の通りです。

1.虐待の問題や貧困など、家庭や地域の課題と子どもの問題状況が関連している場合があるので、スクールカウンセラーの役割も多様化しています。心理面の援助に加えて、子どもと学校を支援するコミュニティの構築・再構築への関与も期待されています。よって選択肢は不適切です。

2.2015年12月、中央教育審議会から「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」が出され、学校や学校組織の在り方について述べられています。スクールカウンセラーなどの専門スタッフは、教員と連携し、業務を遂行しなければなりません。よって選択肢は不適切です。

3.公認心理師法第二条に、公認心理師の業務が挙げられています。その中で、「心理に関する支援を要する者(要心理支援者)の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと」とありますので、スクールカウンセラーに援助を求める子どもだけでなく、その保護者や関係する教師(担任など)も援助の対象になります。よって選択肢は不適切です。

4.不登校、いじめ、非行、虐待を受けている援助ニーズの高い子どもへの支援は、三次的援助サービスになります。

スクールカウンセラーは、すべての子どもを対象とする一次的援助サービス、および学校生活で困難を抱える可能性が高い一部の子どもを対象とする二次的援助サービスにおいても、援助を実施する必要があります。よって選択肢は不適切です。

5.設問の通りであり、選択肢は適切です。

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02

正答は5です。

学校心理学における心理教育的援助サービスは、一人ひとりの子どもの学習面、心理・社会面、進路面、健康面などの問題状況の解決を援助し、子どもの成長を促進することを目的に行われています。

1 心理面の援助は行いますが、上述したように心理面以外の援助も行うこととされており、最も適切とは言えません。

2 心理教育的援助サービスにおいては、「チーム学校(教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど多様な専門性を持つスタッフが連携し、複雑化・多様化した学校の課題に対応できるようにする体制)」として進めることが望ましく、単独で援助することは適切とは言えません。

3 学校心理学における心理教育的援助サービスの対象は、すべての子どもであるため、選択肢は不適切となります。

援助を求める子どもへの援助を実施する必要がありますが、それ以外にも問題を未然に防ぐような予防的な援助サービスも重要であると考えられます。

4 (3)同様に、予防的・開発的な援助サービスの実施など、すべての子どもが対象とされるため、誤りとなります。

5 記述の通りです。スクールカウンセリング活動は、子どもの心理的な発達を援助する活動であり、学校の教育相談体制に位置づけられています。

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03

学校心理学における心理教育的援助サービスは、学校全体の教育活動の中に組み込まれる形で、子どもたちの健全な成長を支援することを目的としています。この支援は、個別対応だけでなく、予防的・発達的な活動も含まれます。

スクールカウンセリングは、学校教育の一環として位置づけられ、教師や保護者など、学校コミュニティ全体が協力して実施されます。

本問題では、この考え方に基づいて最も適切な説明を選びます。

選択肢1. 心理面の援助を中心に行う。

心理教育的援助サービスでは、心理面の援助だけでなく、教育的視点や予防的なアプローチも重視されます。例えば、全校的な活動や教員への支援、家庭との連携など、幅広いアプローチが含まれます。

心理面に限定するのは、このサービスの特徴を十分に反映していないため、不適切です。

選択肢2. スクールカウンセラーが単独で援助する。

スクールカウンセラーは、教職員、保護者、他の専門家と連携しながら活動することが基本です。単独で援助を行うことはまれであり、チームとして協力することが重要です。

この選択肢は、心理教育的援助サービスの協力体制を反映していないため、不適切です。

選択肢3. スクールカウンセラーに援助を求める子どもを対象とする。

心理教育的援助サービスは、援助を求める子どもだけでなく、潜在的なニーズを持つ子どもや全体的な教育活動の一環として実施されます。対象を援助を求める子どもに限定するのは誤りです。

この選択肢は不適切です。

選択肢4. 非行をする子どもなど、援助ニーズの高い子どもを対象とする。

援助ニーズの高い子どもに対する支援は重要ですが、心理教育的援助サービスは、予防的・発達的な支援を含む広範な活動を目指しています。

特定の問題を持つ子どもに限定されるものではないため、この選択肢は不適切です。

選択肢5. スクールカウンセリング活動は、学校教育の一環として位置づけられる。

心理教育的援助サービスは、学校教育の一環として行われ、教育活動全体の中で位置づけられます。個別支援だけでなく、予防的活動や教職員への支援を通じて、学校全体の教育目標に寄与することが特徴です。

この選択肢は正しいです。

まとめ

心理教育的援助サービスは、学校教育の一環として実施され、予防的・発達的な支援を含む広範な活動を展開します。この考え方を正しく反映しているのは スクールカウンセリング活動は、学校教育の一環として位置づけられるです。

他の選択肢は、活動の範囲や目的を誤解しているため不適切です。

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