公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問26 (午前 問26)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問26(午前 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

構成的グループエンカウンターの特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
  • グループを運営するリーダーを決めずに実施する。
  • 参加者の内面的・情動的な気づきを目標としていない。
  • 特定の課題設定などはなく、参加者は自由に振る舞える。
  • レディネスに応じて、学級や子どもの状態を考慮した体験を用意できる。
  • 1回の実施時間を長くとらなくてはいけないため、時間的な制約のある状況には向かない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

構成的グループエンカウンターは、國分康孝によって開発されたグループ・アプローチです。集中的なグループ体験を通して、参加者相互の感情交流と自己発見により、参加者の行動変容や人間的成長を生じさせることを目的としています。

参加者間の関係性を高め、自己開示、他者理解を促進するエクササイズ(課題)を中心にセッションが進められます。グループで一斉にエクササイズを実施するので、参加者全員には能動的に参加する態度が求められます。

ファシリテーター(リーダー)は、エクササイズの実施を先導します。必要であればファシリテーター自らが自己開示し、参加者へより積極的にエクササイズへ取り組んでもらうように働きかけなければならない場面も出てきます。

1.上記にあるように、エクササイズの実施を先導するファシリテーター(リーダー)は必要で す。よって、選択肢は誤りです。

2.上記の通り、参加者の感情交流と自己発見をエクササイズの中で行うので、参加者の内面的・ 情動的な気づきを重視しています。よって選択肢は誤りです。

3.上記の通り、参加者間の関係性を高め、自己開示、他者理解を促進するエクササイズ(課題) を中心にセッションが進められますので、特定の課題設定は必要です。よって選択肢は誤りで す。

4.レディネス(心身の準備状態)を考慮するので、学級や子どもの状態を見ることができ、彼らに 合った体験を用意することができます。よって、選択肢は正しいです。

5.時間の制約は特にありませんので、選択肢は誤りです。

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02

正答は4です。

エンカウンターグループとは、ロジャースによって開発された集団心理療法のひとつです。集団による相互作用、グループ体験を通じて、自己理解を促したり人間関係を開発したりするなど、個人の心理的成長が期待されます。

エンカウンターグループは、ベーシックエンカウンターグループと呼ばれる、あらかじめ話題を決めず、自由な話し合いを中心に過ごすといった非構成的なエンカウンターグループと、用意された課題をグループで行う構成的エンカウンターグループに分けられます。

1 構成的エンカウンターグループにおいては、リーダーから与えられた課題をグループで行い、リーダーはインストラクション(指示や説明)を行ったり、必要に応じて介入したりする役割を担うなど、リーダーを決めて実施することが必要です。したがって、不適切となります。

2 エンカウンターグループにおいては、グループ体験を通じて自己理解を促すことが目的とされており、「内面的・情動的な気づき」を促すことは重要です。したがって、不適切となります。

3 構成的エンカウンターグループは、あらかじめ用意された課題に沿って行われることが特徴であり、選択肢は不適切となります。

4 レディネスとは、学習するために必要な心身の準備状態のことを指します。それぞれのレディネスに応じて課題のレベル、介入の程度や方法などを調節することができると考えられています。したがって、適切です。

5 構成的グループエンカウンターにおいて、実施時間については大きな制約はなく、場面や対象者に合わせて柔軟に設定することが可能とされています。したがって、不適切となります。

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03

構成的グループエンカウンターは、主に学校教育の場で活用される心理教育的手法で、参加者間のコミュニケーションを通じて自己理解や他者理解を深めることを目的としています。

この手法では、参加者の心理的準備状態(レディネス)やグループの状況を考慮し、適切な活動や体験を選択することが重視されます。

以下、各選択肢について検討します。

選択肢1. グループを運営するリーダーを決めずに実施する。

構成的グループエンカウンターでは、活動を円滑に進めるためにリーダー(ファシリテーター)が必要です。リーダーは、活動内容を計画し、進行を管理し、参加者が安心して活動できる環境を提供します。

この選択肢は、構成的グループエンカウンターの特徴に反しており、不適切です。

選択肢2. 参加者の内面的・情動的な気づきを目標としていない。

構成的グループエンカウンターの主な目的の一つは、自己理解や他者理解を深めることを通じた内面的・情動的な気づきの促進です。

この選択肢は、構成的グループエンカウンターの目的と矛盾しているため、不適切です。

選択肢3. 特定の課題設定などはなく、参加者は自由に振る舞える。

構成的グループエンカウンターでは、参加者が自由に振る舞うのではなく、目的に応じた具体的な課題や活動が設定されます。

課題に取り組むことで、参加者は自己表現や他者理解を深めます。

この選択肢は不適切です。

選択肢4. レディネスに応じて、学級や子どもの状態を考慮した体験を用意できる。

構成的グループエンカウンターでは、参加者の心理的準備状態(レディネス)を重視し、グループの年齢や状態に応じた適切な体験を用意することが基本です。これにより、活動が効果的に進み、目標達成につながります。

この選択肢は適切です。

選択肢5. 1回の実施時間を長くとらなくてはいけないため、時間的な制約のある状況には向かない。

構成的グループエンカウンターは、比較的短い時間でも実施可能な活動を選ぶことができるため、学校や教育現場の時間的制約に対応しやすい特徴を持ちます。

この選択肢は誤った記述です。

まとめ

構成的グループエンカウンターは、参加者の心理的準備状態(レディネス)や状況に応じた体験を用意する柔軟性が特徴です。これにより、参加者の自己理解や他者理解を促進します。

他の選択肢は、この手法の運営方法や目的に関して誤った説明を含んでいるため不適切です。したがって、正答は レディネスに応じて、学級や子どもの状態を考慮した体験を用意できるです。

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