公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問27
この過去問の解説 (2件)
正答は1です。
1 自己保健義務は、労働者が負う義務であり、自らの健康管理や健康保持を行うことや企業が実施する労働災害防止の措置や配慮に協力することが求められています。したがって、正しいです。
なお、使用者が果たす義務としては安全配慮義務があり、従業員が安全で健康に働くことができるような措置や配慮を行うことを言います。
いずれも労働安全衛生法で定められています。
2 労働者のメンタルヘルスケアは、事業者が講じるように努めるものとされており、「労働者の主治医が中心」との記載は誤りです。
事業場のメンタルヘルスケアにおいては、「セルフケア」や「ラインによるケア(上司、管理監督者等)」、産業医や保健師などの産業保健スタッフや人事労務管理スタッフによる「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、外部の専門機関や専門家と連携した「事業場外資源によるケア」があります。
3 人事労務管理スタッフは、労働条件や労働環境の改善や適切な配慮を行っていく上で重要な役割を果たしており、メンタルヘルスケアに関与する存在であるため、誤りとなります。
4 産業医は、事業場における労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を指します。役割としては、「診療を行うことが中心」とは言えないため、誤りとなります。
5 従業員のメンタルヘルスは、業務起因のストレスのみならず、個人要因や家庭・生活の問題なども影響してくるため、様々な要因を踏まえてメンタルヘルスケアに取り組む必要があります。したがって、誤りとなります。
正解は1です。
各選択肢については以下の通りです。
1.自己保健義務とは、労働者が負う義務であり、労働安全衛生法で定められています。よって、選択肢は正しいです。
2.事業場における労働者のメンタルヘルスケアについては、労働者の主治医でなく、産業医が担うことになっています。よって、選択肢は誤りです。
3.人事労務管理スタッフは、労働者のメンタルヘルスケアにおいて、労働時間等の労働条件の改善、労働者の適正な配置に配慮する役割を担っています。よって、選択肢は誤りです。
4.産業医の中心的な役割は、労働者の健康管理を担う専門的立場から、対策の実施状況の把握、助言・指導などを行うことです。よって、選択肢は誤りです。
5.メンタルヘルスケアにおいて、ストレス要因は、業務以外にも家庭、地域などに存在し関連しあっていますので、業務に直接起因するストレスには限定しません。よって、選択肢は誤りです。
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