公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問28 (午前 問28)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問28(午前 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

F.Herzbergの2要因理論に関する説明として、正しいものを1つ選べ。
  • 達成動機は、接近傾向と回避傾向から構成される。
  • 職場の出来事で満足を与える要因を達成欲求という。
  • 分配の公正と手続の公正は、仕事への動機づけを高める。
  • 職場での満足を感じる要因は、仕事への動機づけを高める。
  • 職場の出来事で不満足につながる要因をバーンアウトという。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は4です。

ハーズバーグの2要因理論とは、仕事における満足・不満足を引き起こす要因に関する理論です。

仕事の満足度において、満足となる要因(動機付け要因)と不満足となる要因(衛生要因)の2つがありますが、それらは反対に位置するものではない(満足となる要因を高めても不満足が解消されることにはならず、不満足となる要因を解消しても職務満足にはつながらない)ことを示している点が特徴です。

動機付け要因としては、承認・評価されること、成果が出ること、成長することなどが挙げられ、これらが満たされると職務満足が高まるとされています。

一方、衛生要因としては、職場環境、人間関係、給与などが挙げられ、これらの要因が不足・低下すると職務不満足が高まってしまうとされています。

1 記述は2要因理論の説明ではないため、誤りとなります。

記述の内容としては、アトキンソンによる達成動機理論に関するものであり、達成動機(目標を達成したいという動機)と失敗回避動機(失敗をしたくないという動機)の強さによって行動が決まってくるといった考え方です。

2 職場の出来事で満足を与える要因は、2要因理論における動機付け要因に当たるため、誤りとなります。

3 「分配の公正」とは、配分の結果の公正さを指し、「手続きの公正」とは、配分を決定するプロセスの公正さを指します。これらはハーズバーグの2要因理論ではなく、グリーンバーグらによる『組織公正理論』に基づく考え方であるため、誤りとなります。

なお、2要因理論に当てはめたとしても、分配の公正や手続の公正は動機付け要因ではなく、「衛生要因」に当たるものと考えられます。

4 記述の通りです。

5 不満足につながる要因は衛生要因であるため、誤りとなります。

バーンアウトとは、燃え尽きたかのように熱意を失ってしまい、活動水準が低く、仕事への態度もネガティブな状態のことを指します。

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02

正解4です。

フレデリック・ハーズバーグ(F. Herzberg)の2要因理論(動機付け・衛生理論)とは、アメリカの臨床心理学者F. Herzbergが提唱した、職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論です。人間の仕事における満足度について、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものであるとする考え方です。

各選択肢については以下の通りです。

1.設問は、上記で述べたような内容とは異なるので、F. Herzbergの2要因理論ではありません。よって選択肢は誤りです。

2.F. Herzbergの2要因理論において、職場での満足を与える要因は「動機づけ要因」と呼ばれます。よって選択肢は誤りです。

3.設問は、F. Herzbergの2要因理論の説明ではありません。よって選択肢は誤りです。

4.F. Herzbergの2要因理論では、仕事の満足に関する要因と不満足に関する要因は異なるとされています。仕事の満足を感じる要因は、動機づけにつながります。給与、福利厚生、上司・同僚との人間関係などからなる衛生要因は、不満にかかわるものです。よって選択肢は正しいです。

5.バーンアウトとは、燃え尽き症候群ともいわれ、仕事に没頭してきた人が心身の極度の疲労により燃え尽きたようになって意欲を失うことです。F. Herzbergの2要因理論とは関係がありません。よって選択肢は誤りです。

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03

F. Herzbergの2要因理論(動機づけ-衛生理論)は、職場での満足や不満足の要因を動機づけ要因(Motivators)と衛生要因(Hygiene Factors)の2つに分けて説明する理論です。

動機づけ要因は、仕事へのやりがいや成長感をもたらし、満足感を高めます。

一方、衛生要因は、不満足を防ぐために必要ですが、満足感を直接高めるものではありません。

本問題では、この理論に基づく正しい説明を選びます。

選択肢1. 達成動機は、接近傾向と回避傾向から構成される。

達成動機に関する接近傾向と回避傾向の概念は、Atkinsonの達成動機理論に関連しています。F. Herzbergの2要因理論とは異なる理論であり、

この選択肢は不適切です。

選択肢2. 職場の出来事で満足を与える要因を達成欲求という。

職場での満足を与える要因は、F. Herzbergの理論では動機づけ要因と呼ばれます。これには、達成感、承認、仕事そのもののやりがいなどが含まれます。「達成欲求」という用語は正確ではなく、この選択肢は不適切です。

選択肢3. 分配の公正と手続の公正は、仕事への動機づけを高める。

分配の公正(リソースが公平に配分されていること)と手続の公正(意思決定のプロセスが公平であること)は、組織の公正理論に基づくものであり、F. Herzbergの2要因理論では直接触れられていません。

この選択肢は不適切です。

選択肢4. 職場での満足を感じる要因は、仕事への動機づけを高める。

F. Herzbergの理論では、動機づけ要因(例:達成感、仕事そのものの意義、昇進)は、満足感を高めると同時に、仕事への動機づけを向上させる要因とされています。これにより、従業員は積極的に仕事に取り組むようになります。

この選択肢は理論に沿った適切な内容です。

選択肢5. 職場の出来事で不満足につながる要因をバーンアウトという。

職場で不満足につながる要因は、F. Herzbergの理論では衛生要因(例:給与、職場環境、人間関係)と呼ばれます。一方、バーンアウト(燃え尽き症候群)は、ストレスや過労により心身が疲弊する状態を指し、2要因理論の概念とは異なります。

この選択肢は不適切です。

まとめ

F. Herzbergの2要因理論では、職場での満足をもたらす要因(動機づけ要因)は、仕事への動機づけを高めるとされています。これを正しく述べている選択肢は職場での満足を感じる要因は、仕事への動機づけを高めるです。

他の選択肢は、2要因理論の内容と異なる概念や誤解を含んでいるため不適切です。

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