公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問29 (午前 問29)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問29(午前 問29) (訂正依頼・報告はこちら)

糖尿病について、正しいものを1つ選べ。
  • 糖尿病は、1型から2型に移行することが多い。
  • 糖尿病の運動療法には、無酸素運動が有効である。
  • 2型糖尿病患者に、血糖自己測定<SMBG>は不必要である。
  • 非定型抗精神病薬の中には、糖尿病患者に使用禁忌の薬がある。
  • 健診でHbA1c値が6.8%であった場合は、糖尿病の可能性は低い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は4です。

糖尿病とは、血糖値を下げる働きがあるインスリンの分泌が少なくなったり、効きにくくなったりすることで血液中の血糖値が異常に高い状態が続く病気であり、血管や血液の状態が悪化し合併症が生じるとされています。

1 1型糖尿病は遺伝的な要因に加えて、ウイルス感染などが要因とされるもの、2型糖尿病は遺伝的な要因に加えて、食生活や運動不足などの生活習慣が原因と考えられるものと区別されており、「移行することが多い」との記述は誤りとなります。

2 糖尿病の運動療法においては、有酸素運動によって筋肉への血流が増加し、インスリンの効果が高まるとされています。つまり、有酸素運動効が果的であると言われているため、適切とは言えません。

3 血糖自己測定を行うことによって、自身での血糖コントロールに役立てることができるため、全ての患者に効果的であると言えます。したがって、誤りとなります。

4 記述の通りです。非定型抗精神病薬の中には、血糖値を上昇させる副作用などが報告されており糖尿病患者には禁忌となっているものがあります。

5 HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上の場合は糖尿病が強く疑われるとされており、「糖尿病の可能性は低い」との記述は誤りとなります。

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02

正解は4です。

各選択肢については以下の通りです。

1.糖尿病の1型、2型は全く異なるものです。1型糖尿病は自己免疫によって起こります。2型糖尿病は、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣の乱れによって起こります。移行するものでないので、選択肢は誤りです。

2.糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法があります。運動療法で有酸素運動を行うことにより、内臓の脂肪細胞が小さくなることで肥満を改善し、インスリンの働きを妨害する物質の分泌を少なくすることができます。よって、選択肢は誤りです。

3.糖尿病は1型でも2型でも血糖値が不安定なので、モニタリングが必要です。インスリン療法が必要な、1型、2型のいずれの糖尿病患者にもSMBGは必要です。よって選択肢は誤りです。

4.非定型抗精神病薬の中のオランザピンやクエチアピンでは、ケトアシドーシスや昏睡などの重大な副作用が報告されているので、使用が禁忌とされています。よって、選択肢は正しいです。

5.HbA1c値の正常範囲は、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドラインによると、4.6〜6.2%とされていますので、6.8%は正常範囲を超えています。正常範囲を超えている場合は、糖尿病の可能性が低いとは言えません。よって、選択肢は誤りです。

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03

糖尿病は、血糖値の調節機能が障害される疾患で、1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。治療には食事療法、運動療法、薬物療法が含まれ、病態や患者の状態に応じて適切な対応が求められます。

また、糖尿病治療中の患者に投与される薬剤は、糖代謝に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

本問題では、糖尿病に関する基本的な知識や治療の注意点について問われています。

 

選択肢1. 糖尿病は、1型から2型に移行することが多い。

1型糖尿病は自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる疾患です。一方、2型糖尿病はインスリン抵抗性や分泌不全によるものであり、病態が異なります。

そのため、1型糖尿病が2型糖尿病に移行することはありません。

この選択肢は誤りです。

 

選択肢2. 糖尿病の運動療法には、無酸素運動が有効である。

糖尿病の運動療法には、有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)が推奨されます。有酸素運動はインスリン感受性を高め、血糖値を改善する効果があります。一方、無酸素運動(筋力トレーニングなど)は補助的に取り入れられることもありますが、単独で推奨されることはありません。

この選択肢は誤りです。

 

 

選択肢3. 2型糖尿病患者に、血糖自己測定<SMBG>は不必要である。

2型糖尿病患者であっても、特にインスリン療法を行っている場合や血糖値の変動が大きい場合には、血糖自己測定(SMBG)が推奨されます。SMBGは血糖値の自己管理や治療効果の確認に重要な役割を果たします。

この選択肢は誤りです。

 

選択肢4. 非定型抗精神病薬の中には、糖尿病患者に使用禁忌の薬がある。

非定型抗精神病薬(例:オランザピン、クロザピンなど)の中には、糖代謝に悪影響を及ぼし、糖尿病を悪化させる可能性がある薬剤があります。これらの薬剤は、糖尿病患者への投与に注意が必要であり、場合によっては禁忌とされることもあります。

この選択肢は適切です。

選択肢5. 健診でHbA1c値が6.8%であった場合は、糖尿病の可能性は低い。

HbA1c値が6.8%は、糖尿病の診断基準である6.5%を超えています。

このため、糖尿病の可能性が高い値であり、追加の検査や医療機関での受診が必要です。

この選択肢は誤りです。

まとめ

非定型抗精神病薬の中には、糖代謝に悪影響を及ぼす可能性がある薬剤があり、糖尿病患者への投与に注意が必要です。これを正しく述べている選択肢は非定型抗精神病薬の中には、糖尿病患者に使用禁忌の薬があるです。

他の選択肢は、糖尿病に関する誤解や事実に反する記述を含んでいるため、不適切です。

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