公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問53

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

被害者支援の制度について、正しいものを2つ選べ。
  • 被害者支援センターは、法務省が各都道府県に設置している。
  • 受刑者の仮釈放審理に当たって、被害者は意見を述べることができる。
  • 財産犯の被害に対して、一定の基準で犯罪被害者等給付金が支給される。
  • 刑事事件の犯罪被害者は、裁判所に公判記録の閲覧及び謄写を求めることができる。
  • 日本司法支援センター<法テラス>は、被疑者・被告人がしょく罪の気持ちを表すための寄附を受けない。

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は2と4です。

1 被害者支援センターとは、犯罪被害者の方々に対して、被害者の心理的ケアや警察や裁判所などへの付き添い、各種手続きの手伝いなどの支援を行っている機関です。各都道府県に設置されており、電話相談や面談相談を受け付けています。

設問では「法務省が設置している」との記載がありますが、被害者支援センターは民間の支援団体であるため、誤りとなります。

2 更生保護における犯罪被害者の方々のための制度として、加害者の仮釈放・仮退院の審理において意見を述べることができる「意見等聴取制度」があります。よって、記述は正しいです。

3 犯罪被害者等給付金は、殺人などの故意の犯罪行為によって不慮の死を遂げた犯罪被害者の遺族(遺族給付金)、重傷病(重傷病給付金)・障害(障害給付金)など重大な被害を受けた犯罪被害者に対して支給されるものです。したがって、「財産犯の被害に対して」という部分が誤りとなります。

4 記述のとおりです。

5 日本司法支援センター(法テラス)では、「しょく罪寄附」といった、被疑者・被告人が事件への反省の気持ちを表すために寄付をする制度があります。道路交通法違反や覚せい剤取締法違反など被害者がいない事件などで活用されており、これらの寄附金は犯罪被害者支援などに活用されています。したがって、選択肢は誤りとなります。

そのほか、保護観察中あるいは保護観察を終了した者が、犯した罪の重さを認識し、再び犯罪をしない決意を持ち続けるために寄付をする「更生寄付」といった制度もあります。

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02

正答は2と4です。

1 . 被害者支援センターは、民間組織である「公益社団法人全国被害者支援ネットワーク」によって、2009年7月までに47都道府県全てに加盟団体(被害者支援センター)が設置されました。

これらの民間団体(被害者支援センター)の多くは、都道府県公安委員会から犯罪被害者等早期援助団体の指定を受け、警察と連携して活動しています。

被害者支援センターでは、「電話相談」や専門の研修を受けた犯罪被害相談員による「面接相談」、そして裁判所・警察などへの付き添いや日常生活の手助けといった「直接的支援」が行われています。

よって、被害者支援センターの設置は「法務省」ではない為、選択肢1 は誤りです。

以下の法務省『犯罪被害者の方々へ』のサイトに、被害者支援に関する各種制度が記載されています。

https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11.html

2 .「仮釈放・仮退院審理における意見等聴取制度」

https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-7.html#5

加害者の仮釈放や少年院からの仮退院を許すか否かを判断するために、地方更生保護委員会が行う審理において、被害者やご遺族等の方々が、仮釈放・仮退院に関する意見や被害に関する心情を述べることができる制度です。

よって、選択肢2 は正しいです。

3 .詐欺罪や高金利受領罪(出資法違反)といった財産犯の被害に対して支給される給付金制度は、「被害回復給付金支給制度」です。

「犯罪被害者等給付金」とは、犯罪行為によってご家族の方を亡くされたご遺族、重大な負傷又は疾病を負ったり後遺障害が残ったりした被害者の方に対して、国が給付金を支給する制度です。

https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-8.html#1

よって、選択肢3 は誤りです。

4 .「公判記録の閲覧・コピーができる制度」

https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html#7

被害者やご遺族等の方々から申出がある場合で、正当でない理由による場合、相当と認められない場合を除き、刑事事件が裁判所で審理されている間に、原則として、被害者やご遺族等の方々が、その裁判所の保管する公判記録を閲覧・コピーすることが認められています。

よって、選択肢4 は正しいです。

5 .日本司法支援センター〈法テラス〉では、被疑者・被告人がしょく罪の気持ちを表すための寄付を受け付けています。

日本司法支援センター〈法テラス〉は、刑事・民事を問わず、国民が法的トラブル解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるように、総合法律支援法に基づき、平成18年に設立された法務省所管の公的な法人です。

法テラスでは寄付も受け付けており、「一般寄付」「しょく罪寄付」「更生寄付」の3つがあります。

「しょく罪寄附」とは、道路交通法違反、覚せい剤取締法違反など「被害者のいない刑事事件」や「被害者に対する 弁償ができない刑事事件」などの場合に、被疑者・被告人が事件への反省の気持ちを表すために、公的な団体等に対して行う寄附です。

よって、選択肢5 は誤りです。

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