公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問59

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかについて実験を行った。香りあり条件と香りなし条件を設けて、机の上の消しくずを掃除する程度を指標として検討した。その結果、全体的には香りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかったが、尺度で測定された「きれい好き」得点が高い群は、全体として「きれい好き」得点が低い群よりもよく掃除をした。さらに、高い群では香りあり条件と香りなし条件の差は明瞭でなかったが、低い群では、香りあり条件が香りなし条件よりも掃除をする傾向が顕著に観察された。
この実験の結果の理解として、正しいものを1つ選べ。
  • 交互作用はみられなかった。
  • 実験要因の主効果は有意であった。
  • 「きれい好き」要因の主効果は有意ではなかった。
  • 実験要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
  • 「きれい好き」要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は5です。

1 交互作用とは、2つの要因が組み合わさるときに現れる複合効果のことを指します。

この問題では、要因①を「香りの有無」、要因②を「きれい好き得点の高低」として、掃除する傾向への影響を見ます。

本文の「(きれい好き得点が)高い群では香りあり条件と香りなし条件の差は明瞭でなかったが、低い群では香りあり条件が香りなし条件よりも掃除をする傾向が顕著に観察された」との記述から、要因①(香りの有無)が、要因②(きれい好き得点の高低)によって、掃除する傾向に影響を与えていることが分かり、要因の効果が他の要因に影響するといった交互作用が生じていることが認められます。したがって、誤りとなります。

2 主効果とは、各要因(独立変数)が従属変数へ与える効果のことです。

この問題での従属変数は、掃除する傾向を指します。実験要因は、「石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかについて実験」との記述から、香りの有無となります。

問題文には「全体的には香りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかった」との記述があり、実験要因の主効果は認められなかったことになります。したがって、誤りとなります。

3 問題文に、「きれい好き」得点が高い群は、全体として「きれい好き」得点が低い群よりもよく掃除をしたとの記載があり、きれい好き得点の高低の要因が、掃除する傾向(従属変数)に影響を与えていることが言えるため、「きれい好き」要因の主効果が有意であると考えられます。したがって、誤りとなります。

4 (2)で記述したように、実験要因である「香りの有無」に主効果が認められていないため、誤りとなります。

5 (1)で記述したように、交互作用が認められるほか、(3)で記述したように「きれい好き」要因の主効果も認められます。したがって、これが正答です。

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02

正答は5です。

2要因計画の実験です。

独立変数 2要因

  要因1 「香り:あり/なし」(2水準)

  要因2 「きれい好き得点:高い/低い」(2水準)

従属変数 「机の上の消しくずを掃除する程度」

2要因分散分析によって求めるものは、2つの要因それぞれの主効果と、その2つの要因間の交互作用です。

主効果とは、それぞれの要因が従属変数に与える効果のことです。

交互作用とは、一方の要因における水準の違いによって、他方の要因における水準の効果に違いが生まれることです。

1 .問題文の、「(きれい好き得点が)高い群では香りあり条件と香りなし条件の差は明瞭でなかったが、(きれい好き得点が)低い群では香りあり条件が香りなし条件よりも掃除をする傾向が顕著に観察された」との記述から、一方の要因「きれい好き得点:高い/低い」における水準の違いによって、他方の要因「香り:あり/なし」における水準の「掃除」への効果に違いが生まれています。

よって、交互作用がみられるため、選択肢1 は誤りです。

2 . 問題文の「石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかについて実験を行った」との記述から、「実験要因」は「香り」となります。

問題文には「全体的には香りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかった」とあるため、実験要因の主効果は認められなかったと言えます。

よって、選択肢2 は誤りです。

3.「きれい好き得点が高い群は、全体としてきれい好き得点が低い群よりもよく掃除をした」との記述から、「きれい好き」要因の主効果は有意であったとわかります。

よって、選択肢3 は誤りです。

4 .選択肢2 の解説と同様、実験要因「香り」の主効果は有意ではなかった為、選択肢4 は誤りです。

5 .選択肢1と3 の解説の通り、「きれい好き要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い」との記述は正しいです。

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