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公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問73

問題

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25歳の男性A、会社員。Aは、上司Bと共に社内の相談室に来室した。入社2年目であるが、仕事をなかなか覚えられず、計画的に進めることも苦手で、Bから繰り返し助言されているという。Bによれば、同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まり事に気がつかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられているという。会社以外での対人関係で困ることはない。この1か月は早朝覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休んだ。BDI−Ⅱの得点は42点、AQ−Jの得点は35点であり、Y−BOCSの症状評価リストは1項目が該当した。
Aに関する見立てとして、最も適切なものを1つ選べ。
   1 .
軽度抑うつ状態
   2 .
強迫症/強迫性障害
   3 .
社交不安症/社交不安障害
   4 .
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>
( 公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問73 )
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この過去問の解説 (3件)

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正答は4です。

BDI−Ⅱ(ベック抑うつ尺度)とは、「抑うつ」の程度を測る検査です。過去2週間の状態についての質問(21項目)に回答し、14~19点を「軽症」、20~28点を「中等症」、29点以上を「重症」と区分します(最高63点)。

Aの得点は42点とのことであり、結果からは「重度な抑うつ状態」であると解釈することができます。

AQ−Jとは、「自閉症スペクトラム症」のスクリーニングテストとして用いられている検査であり、コミュニケーションや想像力、社会的スキルなどを測ることができます。26点を超えると「自閉症スペクトラムの傾向がある」と考えられ、33点以上になると「自閉症スペクトラム障害の傾向が高い」と考えます。

Aの得点は35点であり、結果からは「自閉症スペクトラムの傾向が高い」ことが推察されます。

Y−BOCSとは、「強迫性障害」の程度を測る検査です。強迫観念と強迫行為に関する項目について、「全くない」場合は0点、そこから度合いに応じて1~4点で評定します。8〜15点は「軽度」、16〜23点は「中等度」、24〜31点は「重度」、32〜40点は「最重度」に分類します。

Aは1項目が該当しているので最大でも4点です。よって、強迫性障害には該当しないことが読み取れます。

1 BDI−Ⅱの得点から、「軽度」ではなく「重度」であると考えられます。したがって、誤りとなります。

2 Y−BOCSの得点からは、強迫性障害には該当しないと考えられます。したがって、誤りとなります。

3 社交不安症/社交不安障害とは、人から注目を浴びる場面において極度の不安や恐怖を感じ、動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの症状が生じるほか、不安を避けるために対人場面を避けるようになり、日常生活にも影響を及ぼす状態を指します。

社交不安の程度を直接測るような検査は行ってはいませんが、本文を見る限りでは社交不安が疑われるような記述は窺えません。よって、適切な見立てとは言えず、誤りとなります。

4 AQ−Jの結果を踏まえると、自閉症スペクトラムの傾向(ASD)が高いと考えられます。

ASDの特徴によって、仕事や職場での対人関係がうまくいかず、そのことによって重度の抑うつ状態になっているのではないかと考えられます。

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正答は4です。

1 .「BDI-Ⅱ (ベック抑うつ質問票)」は、抑うつ症状の有無とその程度の指標として開発された、自記式質問調査票です。

最近2週間の状態について、21項目の質問に4件法(0〜3点)で回答することによって、抑うつ症状の重症度を短時間で評価することができます。

対象年齢は13歳〜80歳です。

抑うつの重症度判定は、14点以上で「軽症」、20点以上で「中等症」、29点以上で「重症」となります。

Aの得点は42点ですので、「重度抑うつ状態」であることが判ります。よって、選択肢1「軽度抑うつ状態」は、見立てとして適切ではありません。

2 .「Y-BOCS(エール・ブラウン強迫観念・強迫行為尺度)」は、強迫性障害の程度を測る自己記入式の心理検査です。

症状評価リストと重症度質問票があり、症状評価リストには強迫観念と強迫行為のいろいろな表れ方が載っていて、現在の時点で困っている症状には「現病」に、過去に困ったことのある症状には「既往」に、それぞれ該当する項目についてチェックします。

重症度質問票では、先の症状チェックリストにおいてチェックした項目の強迫観念・強迫行為について、最近1週間の症状の重症度を質問していきます。強迫観念・強迫行為、各5項目、全10項目の質問について、0〜4点の5段階で評価します。

最大得点は40点で、16点以上から臨床的に意味のある強迫症状とされ、32点以上が重度の強迫性障害と判定されます。

Aは「症状評価リストは1項目が該当」とのことなので、最初の症状評価リストでは強迫観念・強迫行為のうち1項目が「現病」か「既往」のどちらかの枠にチェックが入りましたが、次の重症度質問票においては、その症状について最近1週間の重症度を評価する質問項目では、得点化に至らなかったということでしょう。

よって、選択肢2「強迫症/強迫性障害」には該当しないと判断できます。

3 .「社交不安症/社交不安障害」とは、他者から注目を浴びる可能性のある状況について、過度な恐怖や不安を感じる精神疾患です。その状況は、他者と関わる状況や他者の前で何かを行う状況など様々です。

赤面、発汗、動悸、震えなどの身体症状が現れ、次第にそのような状況を回避するようになり、社会生活に支障が出る状態です。

問題文には、Aが社交不安症であるような記述は見受けられない為、選択肢3「社交不安症/社交不安障害」の見立ては誤りです。

4 .「AQ-J (自閉症スペクトラム指数・日本版)」 は、自己記入式で、成人の自閉症用に開発された自閉症的行動特性の程度を測定できる尺度です。

社会的スキル、注意の切り替え、細部への注意、コミュニケーション、想像力の5つの下位尺度について測定することもできます。

総合得点が33点以上が自閉症スペクトラム障害の傾向が強いと考えます。

Aの得点は35点で、33点以上であること、そして仕事の習得ができない、社内の対人関係に困難を抱えている様子からも、選択肢4「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害〈ASD〉」の見立てが適切だと考えられます。

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正答は、4です。

1.抑うつ状態は、BDI-Ⅱの得点から見立てられます。

BDI-Ⅱは、ベック抑うつ尺度といい、Beck, A. T. が作成した、抑うつの程度を測定する検査です。

産業領域でのメンタルヘルスチェック、医療機関でのうつ病の判定などに使用されています。

項目は21項目あり、得点は0~63点となります。

・14~19点が軽度の抑うつ

・20~28点が中等度の抑うつ

・29点以上が重度の抑うつ

となります。

事例Aは、BDI-Ⅱの得点が42点ですので、「重度の抑うつ」となります。

「軽度抑うつ状態」ではありませんので、選択肢は不適切です。

2.強迫症/強迫性障害は、Y-BOCSの得点から見立てられます。

Y-BOCS(エール・ブラウン強迫尺度)は、強迫傾向を検査する尺度です。

事例では、Y-BOCSの重症度評価得点は示されておらず、症状評価リストも1項目のみの該当ということですので、強迫症/強迫性障害としては見立てられません。

3.社交不安症/社交不安障害は、社交場面に対する著しい恐怖または不安を示す病態です。

他者によって注視されるかもしれない社交状況に関する強烈な不安が特徴ですので、事例Aの臨床像とは異なっています。

Bによれば、Aは、同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まり事に気がつかなかったりすることもあるということですので、社会的コミュニケーションの障害の方が疑われます。

4.自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害〈ASD〉は、AQ-Jの得点から見立てられます。

AQ-Jは、児童から成人のASD傾向に関する検査です。

26点以上が区分点となっています。

事例Aは、AQ-Jの得点が35点でしたので、「自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害〈ASD〉」という見立てが適切だと考えられます。

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