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公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午前 問75

問題

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70歳の女性A。Aは最近、昼間の眠気が強くなったと訴える。夜間の睡眠は0時から6時頃までで変化はなく、毎日朝夕2回30分程度の散歩をしている。高血圧のため3年前から服薬しているが、血圧は安定しており、健診でもその他に問題はないと言われている。最近、就床すると、足に虫が這うように感じて眠れないことがある。昼間の眠気はあるが、何かをしていれば紛れる。週3回の編み物教室は楽しくて眠気はない。食欲はあり、塩分摂取に気をつけている。
Aへの睡眠衛生指導上の助言として、適切なものを2つ選べ。
   1 .
散歩は、睡眠に良い効果があるので続けてください。
   2 .
睡眠時間が足りないので早く床に就くようにしてください。
   3 .
昼間に何かをして眠気が紛れるのであれば心配はいりません。
   4 .
深く眠るために熱いお風呂に入ってすぐ寝るようにしてください。
   5 .
足の不快感のために眠れないことについては、医師に相談してください。
( 公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問75 )
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この過去問の解説 (3件)

48

正答は1と5です。

「昼間の眠気が強くなった」との訴えから考えられる疾患としては、『ナルコレプシー』(睡眠時間が十分確保されていても日中に強い眠気や居眠りが突然現れる)や『睡眠時無呼吸症候群』(睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態を繰り返す)などが挙げられ、そのために熟睡することができず、日中に強い眠気が生じていることが考えられます。

また、「足に虫が這うように感じて眠れない」との記述からは、『むずむず脚症候群』(夕方から夜間にかけて現れやすく、下肢の部分がむずむずしたり、虫がはっているような不快な感覚が現れたりする)によって熟睡することが難しくなり、日中に強い眠気が生じていることも考えられます。

1 習慣的な運動は、睡眠に良い影響を与えるとされているため、助言としては適切です。

2 睡眠時間に個人差はありますが、「夜間の睡眠時間に変化はない」とのことであるため、睡眠時間が減少したわけではなく、6時間睡眠であれば睡眠時間が大きく不足しているとは言い難いことから、適切であるとは言えません。

また、眠気が訪れてから寝床に就くことが睡眠の質を高めるとも言われており、早めに床に就くことへの助言も適当であるとは言えません。

3 何かをして眠気を紛らわすといった対処法を助言することが不適当であると言えませんが、上述した睡眠の問題が考えられるため、「心配ない」との助言は適切ではありません。

4 睡眠の質を高めるに当たって、就寝2時間程度前に、ぬるめ(40℃前後)のお湯にゆっくりとつかることが有効とされています。

また、熱い風呂は心臓や血管などに負担をかけるため、特に高血圧のAに対しての助言としては適切ではありません。

5 上述のように、自身では解決できない睡眠の問題が生じていることが考えられるため、医師への相談を促すことは適切です。

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25

正答は1と5です。

「睡眠障害」とは、睡眠に何らかの問題がある状態のことです。

睡眠が障害されると、日中の活動へ支障をきたし、心身の健康に影響を与えます。特に高齢者では睡眠の質が低下し、不眠などの睡眠障害が見られます。

そのため、睡眠障害は適切な診断を受け、治療を行うことが大切です。

睡眠障害について、詳しくは下記を参照してください。

https://www.ncnp.go.jp/nimh/behavior/phn/sleep_manual.pdf

出典:睡眠障害・睡眠問題に対する支援マニュアルー保健師・対人援助職向けー

「睡眠衛生指導」とは睡眠の質を高めるために、睡眠に関する知識を提供し、睡眠習慣を改善する助言や指導を行うことです。

厚生労働省によって、《睡眠障害対処 12 の指針》が示されていますので、下記を参考にしてください。

http://ha-bu.net/suimin.pdf

1 .毎日の規則的な運動習慣は熟眠を促進します。睡眠衛生指導上の助言として適切です。

2 .睡眠時間は人それぞれであり、年をとると必要な睡眠時間は少なくなる傾向があります。眠たくなってから床に就き、あまり就床時刻にはこだわりすぎないようにした方がよいです。

Aは「夜間の睡眠は0時から6時頃までで変化はなく」との記述から、これまでと同様の睡眠時間は確保できているようです。

よって、選択肢2は適切な助言ではないでしょう。

3 .Aは「昼間の眠気はあるが、何かをしていれば紛れる」程度です。しかし「最近、就床すると、足に虫が這うように感じて眠れないことがある」との記述から、「レストレスレッグス症候群」の疑いがあり、医師への相談か専門医への受診が必要でしょう。

レストレスレッグス症候群(従来は「むずむず脚症候群」と呼ばれていました)は、夕方から深夜にかけて、下肢を中心として、「ムズムズする」「痛がゆい」

「じっとしていると非常に不快」といった異常な感覚が出現してくる病気です。足を動かすとこの異常感覚はすぐに消えるのですが、じっとしていると再び出現してきます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-068.html

出典:レストレスレッグス症候群/むずむず脚症候群 e-ヘルスネット 厚生労働省

よって、選択肢3は助言として不適切でしょう。

4 .熱いお風呂は、交感神経が優位になり体を覚醒させます。血圧も上がりやすくなるので、高血圧のAには不適切な助言です。

高血圧の方が入浴で注意する点は、浴室内外の温度差を調整すること、お湯の温度はぬるま湯にすること、食後1時間以内と飲酒時の入浴は避けること、急にバスタブから立ち上がらないことなどです。

5 .「足の不快感のために眠れないこと」は、選択肢3で解説したようにレストレスレッグス症候群の可能性がある為、医師への相談が必要です。

よって、選択肢5は適切な助言です。

21

正答は1と5です。

1.「散歩は睡眠に良い」「散歩を続けると良い」という助言は、睡眠衛生指導上の助言として、適切です。

運動が睡眠に良いことは、国内外の研究によって明らかにされています。

(参考)厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

2.Aは夜間の睡眠は、0時から6時までですので6時間です。

この6時間を、どう評価するかというところですが、「睡眠時間が足りない」とまでは言いにくいです。

睡眠時間の長さ(例えば、睡眠時間が6時間より7時間半のほうが良い、という考え方)よりも、「足に虫が這うように感じて眠れない」ことに対する助言が必要と考えられます。

3.「レストレスレッグス症候群」が推察されますので、「心配はいりません」との助言は適切とはいえません。

また、Aは、昼間の眠気を問題としています。

「編み物教室は楽しい」という話はありますが、「昼間の眠気」の背後に、意欲低下やうつ状態がひそんでいる可能性もあります。

不眠症やうつ病と、レストレスレッグス症候群の区別のためにも、医療機関の受診をすすめることは必要と考えられます。

4.熱いお風呂に入ると交感神経が優位になって覚醒してしまいますので、「深く眠るため」には、適切な助言ではありません。

また、Aは高血圧のため3年前から服薬しているとのことですので、「熱いお風呂に入って」という助言は、血圧を上げてしまうことにつながりかねません。

副交感神経を優位に導くためには、ぬるめのお湯に15分ほどつかることが一般的に良いとされています。

しかしながら、高血圧の問題に触れる際は、主治医と相談するように助言をする必要があります。

5.解説の通りです。

レストレスレッグス症候群である場合、一般的に薬物治療や生活習慣改善などの非薬物治療が行われますので、「医師に相談してください」と助言することは適切です。

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