公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問86
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問86 (訂正依頼・報告はこちら)
ヒトのサーカディアンリズムと睡眠について、正しいものを1つ選べ。
- 加齢による影響を受けない。
- メラトニンは、光刺激で分泌が低下する。
- 時計中枢は、視床下部の室傍核に存在する。
- 睡眠相遅延(後退)症候群は、夕方から強い眠気が出る。
- ノンレム睡眠とレム睡眠は、約45分の周期で出現する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は2です。
人間が生まれながらに持っている体温やホルモン分泌など身体機能のリズム(体内時計)のうち、約25時間周期のリズムを「サーカディアンリズム」と呼びます。
サーカディアンリズムは、光を浴びるなど様々な刺激(同調因子)を受けることで、体内時計が外界の周期に同調して、約24時間周期のリズムに調整されているとされています。
1 加齢によって生体機能の低下が生じることに伴い、サーカディアンリズムへの影響が生じるとされています。加齢により、生体機能リズムが崩れることによって、早く目が覚めたり、眠れなかったりすることが多くなることが挙げられます。したがって、記述は誤りとなります。
2 メラトニンとは、脳の松果体から分泌されるホルモンです。主に夜間に分泌され、休息を促し、睡眠のリズムをコントロールします。夜間に分泌量が多く、光刺激によって日中は分泌量が少なくなっています。したがって、記述は正しいです。
3 生物時計・体内時計の中枢は、視床下部の視交叉上核に存在すると言われています。よって、記述は誤りとなります。
4 睡眠相遅延(後退)症候群とは、就寝時間・起床時間が遅くなることで生活が夜型になり、生活リズムが崩れてしまう状態のことを指します。夜型になると、深夜に強い光を浴びることが多くなり、体内時計が乱れ、就寝時間が遅くにずれてしまうことが指摘されています。
5 睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の周期があり、約90分の周期で出現します。したがって、記述は誤りとなります。
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02
正答は2です。
サーカディアンリズム(概日リズム)とは、人が地球の自転による24時間周期に同調して、睡眠や覚醒、体温、ホルモン分泌などの体の基本的な機能の変化が約24時間周期のリズムを示すことです。
サーカディアンリズムは体内時計(生物時計)によって刻まれている為、体内時計が乱れると様々な生体リズムが崩れると考えられています。
1 .サーカディアンリズムは加齢によって大きく変化し、生体リズムが変化します。その結果、高齢者は朝早くに目が覚め、夕方になると眠くなるという人が多くなるのが特徴です。
よって、記述は誤りです。
2 .メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、サーカディアンリズムを調整する作用があります。
明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中はメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が増加する明瞭な日内変動が生じます。
よって、正しい記述です。
3 .体内時計(生物時計)は、脳内の視床下部の視交叉上核に存在することが分かっている為、記述は誤りです。
4 .睡眠相遅延(後退)症候群は、入眠困難と覚醒困難が慢性的に持続する状態です。
一方、睡眠相前進症候群は夕方の眠気や早朝覚醒を呈するもので、高齢者に多いものです。加齢に伴う生体リズムの周期の短縮が関与していると考えられています。
よって、記述は誤りとなります。
5 .ノンレム睡眠とレム睡眠は約90分周期で変動すると言われている為、記述は誤りです。
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03
正答は2です。
サーガディアン(概日)リズムは、睡眠と大きく関わります。
睡眠-覚醒のサーガディアンリズムは、視床下部の視交叉上核によってコントロールされます。
松果体からのメラトニンによって媒介されますが、メラトニンは夜に合成量が増加します。
日中にはメラトニンの合成量が減りますので、2の「光刺激で分泌が低下する」という記述は、正しいです。
1.睡眠は、年齢により、深さやリズムなどが大きく変化します。
2.上記の解説の通りです。
3.時計中枢は、視床下部の視交叉上核によってコントロールされます。
4.睡眠相遅延(後退)症候群は、入眠困難と覚醒困難が慢性的に持続することを特徴とします。
思春期や青年期に多く見られる症候群です。
夕方から強い眠気が出るのは睡眠相前進症候群です。
睡眠相前進症候群は、高齢者に出やすいとされています。
5.ノンレム睡眠とレム睡眠の繰り返される周期(睡眠周期)は、約90分です。
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