公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問110
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問110 (訂正依頼・報告はこちら)
心理臨床の現場で働く公認心理師の成長モデルとスーパービジョンについて、不適切なものを1つ選べ。
- 自己研さんの1つとして、教育分析がある。
- 公認心理師の発達段階に合わせたスーパービジョンが必要である。
- 自己課題の発見や自己点検といった内省の促進は、スーパービジョンの目的である。
- M.H.RφnnestadとT.M.Skovholtは、カウンセラーの段階的な発達モデルを示した。
- 経験の浅い公認心理師のスーパービジョンにおいては、情緒的な支えよりも技術指導が重要である。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:5】
1:教育分析は、カウンセラーが受けるカウンセリングです。カウンセラーが訓練の一環として、自分のことを振り返り、より深みのある面接ができるようになるために受けるものです。自己研鑽の1つと考えられますので、1は正しいです。
2:スーパービジョンとは、経験豊富な心理職が、経験の浅い心理職に対して行う専門的な指導のことです。スーパービジョンには教育的機能・管理的機能・支持的機能という3つの機能があるとされます。
また、カウンセラーには発達段階があり、段階ごとにスーパービジョンの役割は変化していきます(選択肢4参照)。よって、選択肢2も適切です。
3:正しい記述です。選択肢2の説明における支持的機能に該当します。支持的機能には、自己覚知を促すことや、バーンアウトの防止などが含まれます。
4:正しい記述です。M.H.Rφnnestadらの発達モデルは、カウンセラーの発達段階を6段階に分けて論じたものです。6段階は、①素人援助期 - ②初学者期 - ③上級生期 - ④初心者専門家期 - ⑤経験を積んだ専門家期 - ⑥熟練した専門家期 の順に進んでいきます。
5:経験の浅い心理職ですので、“よりも”ということはありません。情緒的な支えも技術指導も、どちらも同じように重要です。よって、5が不適切な選択肢となります。
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02
正解:5
公認心理師にとって、研鑽は資質を向上させるための責務で、自分自身の能力や技能を振り返ることと、その見直し(反省的実践)が求められます。
1、教育分析は、公認心理師自身が精神分析的心理療法による個人面接を受けることにより、心理療法を体感し、また自身の課題を振り返る訓練となります。
2、公認心理師の発達段階とは、公認心理師が専門家として熟練していく過程のことで、カウンセラーの職業的発達段階(4の解説参照)と同様と考えることができます。初心者と経験を積んだ専門家では、その技量も資質も異なりますから、スーパービジョンもそれに準じます。
3、公認心理師には反省的実践が求められています。スーパービジョンによって、他者からのフィードバックを得て、自らの課題を発見し、自分の能力を振り返ります。またスーパービジョンは、セルフケアの意味もあります。
4、カウンセラーの職業的発達段階は以下の6期に分けられます。
第1期:素人援助期 / 第2期:初学者期 / 第3期:上級生期 / 第4期:初心者専門家期 / 第5期:経験を積んだ専門家期 / 第6期:熟練した専門家期
5、不適切です。
技術的にも情緒的にも支えが必要です。
経験の浅い公認心理師が技術的に未熟なのは当然です。技術を向上させることも大事ですが、公認心理師自身の不安や心の揺れを支えるために、スーパービジョンは行われます。
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03
正解は5です。
1.→教育分析は、公認心理師が、訓練の一環として自分のことを振り返り、より深みのある臨床ができるようになるために受けるものです。自己研さんの1つとして行われます。よって、1は適切です。
2.→M.H.RφnnestadとT.M.Skovholtは、対人援助者の発達段階を6段階に分類しました。
①素人援助者期→②初学者期→③上級生期→④初心者専門家期→⑤経験を積んだ専門家期→⑥熟練した専門家期
があり、この発達段階に合わせたスーパービジョンが必要です。よって、2は適切です。
3.→スーパービジョンにおける代表的な目的として、自己課題の発見や自己点検といった内省の促進が挙げられます。よって、3は適切です。
4.→M. H. RφnnestadとT. M. Skovholtは、2に示した通りの6段階の発達段階を示しました。よって、4は適切です。
5.→スーパービジョンには、主に「管理・運営的機能」「教育的機能」「支持的機能」といった3つの機能があります。経験の浅い公認心理師のスーパービジョンにおいては、バーンアウトの防止など、技術指導だけでなく、情緒的支えも必要になります。よって、5は不適切です。
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