公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問111

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

児童虐待防止対策における、児童相談所の体制及び関係機関間の連携強化について、不適切なものを1つ選べ。
  • 児童心理司を政令で定める基準を標準として配置する。
  • 第三者評価など、児童相談所の業務の質の評価を実施する。
  • 都道府県は、一時保護などの介入対応を行う職員と、保護者支援を行う職員を同一の者とする。
  • 学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は、職務上知り得た児童に関する秘密について守秘義務を負う。
  • 家庭内暴力<DV>対策と児童虐待対応の連携を強化し、婦人相談所や配偶者暴力相談支援センターなどとの連携・協力を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3

児童虐待防止対策は、令和元年、2年、3年と毎年改正されています。最新の情報の入手が欠かせません。

1、児童福祉法には、児童相談所の児童心理司(児童相談所で働く心理職)の配置についての規定があります。平成2年の改正で、児童福祉司は管轄地域の人口3万人につき1人の配置が決められており、児童福祉司2人につき児童心理司1人以上の配置基準となっています。

2、第三者から評価を受けることが望ましいとされています。児童相談所の業務の質を向上させるために、児童相談所がきちんと機能しているか、改善点はないかを確認するために必要であると言われています。

3、不適切です。

児童相談所の職員は、時として児童を一時保護する(保護者と離して一時保護所などで子どもを預かる)際に、保護者と対立することがあります。一方で、子どもを安全に養育するために、保護者を支える役割も担っています。保護者との信頼関係を損ねると支えることが難しくなるため、児童相談所の職員は一時保護などで強く介入することをためらいます。このため、「役割を分けること」が児童福祉法に盛り込まれています。

4、学校や病院、児童福祉施設等、子どもを取り巻く関係機関は、支援が必要と思われる子どもを発見したら、市町村(要保護児童対策地域協議会の事務局)に情報提供することが求められおり、それと同時に守秘義務が課せられています。

5、DVと児童虐待はどちらも、家庭内で力の強い者から弱い者に対して起こる暴力です。児童虐待を伴うDV事案もあり、DV被害者と子どもを共に支援するためには、連携・協力が必要です。

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02

【正解:3】

3:一般に、一時保護をはじめとする介入対応を行う職員に対して、保護者は不快感情(敵対感情)を抱きがちです。ゆえに、保護者支援を行う場合は、別の職員が行うほうが望ましいです。

1、2、4、5は、いずれも記述の通りです。

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03

正解は3です。

2019(平成31)年、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」が、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議にて決定しました。

https://www.mhlw.go.jp/content/000496811.pdf を参照)

その中で、児童虐待防止対策における、児童相談所の体制及び関係機関間の連携強化が定められました。

1.→児童心理司の配置基準の法定化で、「都道府県は、児童心理司2の数について、政令で定める基準に基づき定めることを法律上規定する」とあるので、1は適切です。

2.→「第三者評価など児童相談所の業務に対する評価を実施するよう努めるものとする」と定められているため、2は適切です。

3.→「一時保護等の介入的対応を行う職員と支援を行う職員を分けるなどの児童相談所における機能分化を行う」とあるので、3は不適切です。

4.→「学校、児童福祉施設、病院、都道府県警察及び教育委員会等は児童虐待の早期発見に努めることとするとともに、学校・児童福祉施設等の職員について、業務上把握した児童虐待に関する情報について守秘義務を規定する」とあるので、4は適切です。

5.→「児童相談所と婦人相談所・配偶者暴力相談支援センターとの情報共有・連携体制を強化する」とあるので、5は適切です。

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