公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問112
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問112 (訂正依頼・報告はこちら)
流動性知能の特徴として、不適切なものを1つ選べ。
- 図形を把握する問題で測られる。
- いわゆる「頭の回転の速さ」と関連する。
- 学校教育や文化的環境の影響を受けやすい。
- 新しい課題に対する探索的問題解決能力である。
- 結晶性知能と比べて能力のピークが早期に訪れる。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:3】
「流動性知能」は、キャッテル, R. B. が提唱した概念です。
キャッテルは因子分析により、新たな場面への適応に必要な知能である「流動性知能」と、経験や学習によって獲得した知識や技術で構成される「結晶性知能」とを見出しました。
流動性知能は加齢とともに衰えますが、結晶性知能は寧ろ上昇を続けると考えられています。
以上を踏まえると、流動性知能の特徴に該当しないものは、選択肢3であると分かります。
3は“学校教育”や文化的“環境”とありますから、結晶性知能に該当する記述と判断できます。
他の選択肢は全て、適切です。
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02
正解:3
キャッテルは、一般知能は「流動性知能」と「結晶性知能」に分類されるとしています。
流動性知能とは、新しい場面に適応するのに必要な能力で、計算力、記憶力、集中力といったものを含みます。
一方、結晶性知能とは、経験と知識が結びついた能力で、判断力や習慣、業務処理のスキルなどのことです。
1、図形を把握する能力は、流動性知能です。
2、頭の回転は、流動性知能と関連します。以前は20代以降に低下すると言われていましたが、60代でも保たれているというデータもあります。
3、不適切です。
判断の基準や習慣には文化差があります。文化や教育の影響を強く受けて発達するのは「結晶性知能」です。
4、新しいことに対応する能力は、流動性知能です。
5、2で解説したように、流動性知能は計算や記憶に関連しますから、ピークは早期に訪れると言われています。
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03
正解は3です。
キャッテルは、人間の知能を「流動性知能」と「結晶性知能」に分類しました。
「流動性知能」とは、情報を獲得・処理・操作・学習し、新しい環境に適応するために必要な問題解決能力を指します。これは、生得的な要因が強く、環境要因の影響を受けにくいとされています。「流動性知能」は加齢によって低下しやすく、20歳半ばがピークと言われています。
一方、「結晶性知能」とは、言葉やその意味、一般的な知識や過去の学習、職業経験によって蓄積された知識、それに基づいた判断力を含む能力を指します。これまで人生の中で獲得した知識が結晶化したものとされるので、学校教育や文化的環境の影響を受けやすいとされています。高齢になっても比較的衰えにくい能力でもあります。
1.→レーヴン色彩マトリックス検査(失語症および認知症の検査で、標準図案の欠如部に合致するものを6つの選択図案の中から1つだけ被検者に選ばせる検査)を使って「流動性知能」を測ることができるため、1は適切です。
2.→「流動性知能」は、情報の獲得・処理・操作・学習し、新しい環境に適応するために必要な問題解決能力を指しているため、これらがいかに速くできるかは「頭の回転の速さ」と直結します。よって、2は適切です。
3.→学校教育や文化的環境の影響を受けやすいのは「結晶性知能」ですので、3は不適切です。
4.→「流動性知能」とは、新しい環境に適応するために必要な問題解決能力を指しますので、4は適切です。
5.→「流動性知能」は、20歳半ばにピークを迎え、その後ゆるやかに低下していきます。一方、「結晶性知能」は高齢になっても比較的衰えにくいです。よって、5は適切です。
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