公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午後 問114
この過去問の解説 (3件)
【正解:1】
U.Neisserの自己知識とは、U.Neisserが1988年に提唱した、自己を捉えるうえで必要な5つの視点のことです。
具体的には、「生態学的自己」「対人的自己」「概念的自己」「時間拡張自己」「私的自己」を指しています。
これらのうち、生態学的自己と対人的自己は「主体としての自己」、残りの3つは「客体としての自己」として区別されています。
以上より、正解は1となります。
U. Neisserが仮定する5つの自己知識とは、以下のとおりです。
① 生態学的自己:「私は女です」「私は日本人です」等、自分を性別や人種、身体的特徴といったくくりでとらえる自己のことを指します。
② 対人的自己:「私は(あなたから見れば、)○○です」等、自分を対面する他者からとらえる自己のことを指します。
③ 概念的自己:「私は(社会的に見ると)○○という人間です」等、自分自身や自身の状況などを外部から対象化してとらえる自己のことを指します。
④ 拡張的/想起的自己:「私は(過去に)○○でした」「私は(将来、)○○だろう」等、自分の過去・現在・未来においてとらえられる自己のことを指します。
⑤ 私的自己:「私には(誰も知らない)○○という部分があります」等、他者と共有できない自分を意識的にとらえる自己のことを指します。
以上の中に当てはまらないのは、1.「公的自己」です。よって、1が不適切です。
正解:1
客観的に把握することが難しい自己について、様々な研究がなされています。その中でNeisserの5つの分類は、「自分が自分であること」を捉えやすく整理しています。
自分で自分の情報を得るために、知覚、経験、感覚、想起に基づいて、「生態学的自己」「対人的自己」「概念的自己」「想起的自己」「拡張的自己」の5つに分けています。
1、不適切です。
公的自己は、Neisserの自己知識とは関係がありません。
他者から観察できる自分の姿かたちや態度のことを、公的自己と言います。
2、概念的自己とは、自己概念のことです。自分が自分をどう捉えているか、自分像のイメージのことです。
3、対人的自己とは、他者とやり取りする中で、他者を知覚し、他者に働きかけ、他者からの働きかけに応じるといった、他者との関係の中で知覚する自己です。
4、生態学的自己とは、生態、つまり身体が周りの環境に働きかけることで知覚する自己です。自分がどこにいるのか、何をしているのか、何をしたか、など、環境とのかかわりの中で知覚する自己のことです。
5、拡張的自己とは、自分が記憶していて、思い出すことができる、ストーリー性を持った自己のことです。
想起的自己(私的自己とも言います)とは、自分自身の経験は、他者と同じではないと気付くことによる自己のことです。
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