公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問116
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問116 (訂正依頼・報告はこちら)
動機づけ面接の基本的スキルとして、不適切なものを1つ選べ。
- クライエントが今までに話したことを整理し、まとめて聞き返す。
- クライエントの答え方に幅広い自由度を持たせるような質問をする。
- クライエントの思いを理解しつつ、公認心理師自身の心の動きにも敏感になる。
- クライエントの気づきをより促すことができるように、言葉を選んで聞き返す。
- クライエントの話の中からポジティブな部分を強調し、クライエントの価値を認める。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:3】
動機づけ面接は、クライアント自身の内発的動機づけを治療者が引き出し、関わることによって、行動変化が生じるようにする特定のコミュニケーションスタイルのことです。1980年代にアルコール依存症の患者に対する治療動機づけの方法として始まりました。
特徴としては、
①ゴール指向的である
②クライアント中心ではあるが、治療者が積極的に関与する
③クライアントの矛盾した行動に寄り添う(矛盾を解消して前に進むようにする)
といったことがあります。
また基本スキルはOARSと呼ばれ、Oは開かれた質問(Open ended question)、Aは是認(Affirmation)、Rは聞き返し(Reflective listening)、Sは要約(Summarize)を指します。
この基本スキルを選択肢との対応で見ると、1はS、2はO、4はR、5はAに該当します。
一方、3はいずれにも該当しませんので、これが不適切なものとなります。
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02
正解:3
動機づけ面接では、アルコール依存や禁煙などの問題を抱えるクライエントの、感情や考えに目を向けます。そして、クライエントが行動や考え方を変化させるよう、またよりよい選択ができるよう、援助します。
1、動機づけ面接の技術のひとつが、クライエントの話をまとめて締めくくることです。
2、開かれた質問(自由度のある質問)をするのも、動機づけ面接の技術のひとつです。
3、不適切です。
動機づけ面接では、公認心理師の心の動きには注目しません。
4、「振り返りの傾聴」といい、クライエントが自ら気づきが得られるよう、聞き返しをしたりします。
5、これも動機づけ面接の技術で、クライエントが変化につながる発言をしたら、それを認めます。
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03
正解は3です。
動機づけ面接とは、アルコール依存症の治療法としてW. Millerらが開発したカウンセリング技法です。
クライエント中心療法的な技法と行動療法の要素を織り交ぜ、開発されました。
動機づけ面接の4つの戦略に、OARSと呼ばれる話し方があります。
具体的には、開かれた質問(Open Ended Question)、是認(Affirm)、聞き返し(Reflective Listening)、要約(Summarize)のことを指します。
1.→動機づけ面接における「要約」に当たります。よって、1は適切です。
2.→動機づけ面接では、戦略として「開かれた質問」をしています。「どんな気持ちですか」「どんな考えですか」「どんなことがしたいですか」等を聴いていきます。よって、2は適切です。
3.→これはクライエント中心療法のやり方ではありますが、動機づけ面接では戦略的な質問も行い、クライエントに自分の矛盾について気づいてもらう方法を取ります。クライエントの思いを理解しつつ、公認心理師はクライエントの反応をよく観察して見極め、どこに反応し、どこに反応しないのかということを状況に応じて効果的に要約していきます。よって、3は不適切です。
4.→クライエントの気づきを促し、チェンジトーク(自己動機づけ発言)を引き出せるように、公認心理師が言葉を選んで「聞き返し」ます。よって、4は適切です。
5.→クライエントの話の中からポジティブな部分を強調し、クライエントの価値を認めることは、「是認」に当たるため、5は適切です。
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