公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問123
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問123 (訂正依頼・報告はこちら)
保護観察所の業務として、不適切なものを1つ選べ。
- 精神保健観察を実施する。
- 仮釈放者に対する保護観察を実施する。
- 遵守事項違反による仮釈放の取消しを行う。
- 保護観察に付された者に対する恩赦の上申を行う。
- 少年院に入院中の少年に対する生活環境の調整を実施する。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:3】
保護観察所とは、保護観察や精神保健観察などを行う法務省所管の機関です。各地方裁判所の管轄地域ごとに全国50か所に設置されています。
保護観察中の加害者が再び犯罪・非行をすることのないよう、指導監督などをするとともに、犯罪被害者等の心情などを伝達し、保護観察中の加害者に被害の実状等を直視させて、反省や悔悟の情を深めさせることも行っています。
保護観察所の具体的な業務は次の6つです。
(1)保護観察
(2)生活環境の調整
(3)更生緊急保護
(4)恩赦の上申
(5)犯罪予防活動
(6)医療観察
選択肢と照らし合わせてみると、2、4、5は正しいと分かります。
また、1の精神保健観察は、医療観察制度に規定された保護観察所の業務ですので、こちらも適切です。
一方、3は不適切な選択肢です。仮釈放の取り消しは、保護観察所の所在地を管轄する地方委員会が行います。
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02
正解:3
法務省は、保護観察所について、「犯罪をした人または非行のある少年が、社会の中で更生するように、保護観察官及び保護司による指導と支援を行うもの」としています。
刑務所や少年院に収容されても、そこを出た後の生活を考えることが大切になります。保護観察所は、受刑者の生活環境を調査するなどし、社会復帰に向けて調整します。
1、保護観察所では、精神保健観察を行います。殺人や傷害などの重大な事件を犯した精神障害者を地域で支援するため、医療機関や保健所など多くの機関が関わります。その中で、保護観察所はコーディネーターの役割をします。
2、仮釈放者や少年院からの仮退院者を保護観察所に呼んだり、仮釈放者の家に訪問したりするなどし、生活の様子を見て、指導や支援を行います。
3、不適切です。
仮釈放の取り消しは、地方更生保護委員会の判断によります。
4、恩赦には、政府が行うものと、個別に行うものがあります。個別の恩赦では、検察官、刑事施設、保護観察所の所長から、あるいは本人が、中央更生保護審査会に願い出ることができます。
5、入院中の少年が、少年院を出た後、再度罪を犯すことのない環境で生活できるよう、調整していきます。
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03
正解は3です。
保護観察所とは、罪や非行を犯して保護観察の対象になった人について保護観察を行う法務省の地方出先機関です。
具体的には、以下のような業務が挙げられます。
① 刑務所の仮釈放者や保護観察付きの執行猶予者、家庭裁判所で保護観察処分を受けた少年や少年院の仮退院者に対し、社会内処遇(施設外の社会の中で処遇)により、保護観察や精神保健観察を行なう。
② 釈放後の住居や就業先などの生活環境の調査・調整、更生緊急保護を行なう。
③ 犯罪や非行の予防活動を行なう。
1.→精神保健観察(「医療観察法」により、心神喪失などの状態で重大な他害行為を行い、不起訴や無罪になった人に対し、入院・通院中の生活状況等を見守るほか、医療および退院後の生活環境の調整、処遇実施計画の作成、ケア会議の開催を行ないます)を実施するのは保護観察所の業務のひとつです。よって、1は適切です。
2.→仮釈放者に対する保護観察を実施するのも保護観察所の業務のひとつです。よって、2は適切です。
3.→遵守事項違反による仮釈放の取り消しを行なうのは、保護観察所の所在地を管轄する地方更生保護委員会です(更生保護法第16条に書かれています)。これは保護観察所の業務ではありません。よって、3は不適切です。
4.→恩赦とは、行政権によって国家刑罰権を消滅させ、裁判の内容を変更させ、又は裁判の効力を変更若しくは消滅させる行為です。恩赦法において,政令恩赦と個別恩赦の2種類が定められています。そのうちの個別恩赦の手続きは、保護観察中、又は過去に保護観察を受けた人の場合、保護観察を実施した保護観察所を通して行われます。よって、4は適切です。
5.→少年院に入院中の少年が釈放された後の生活環境の調査・調整を行なうのも保護観察所の業務です。よって、5は適切です。
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