公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問125

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問125 (訂正依頼・報告はこちら)

J.E.Marciaが提起した自我同一性地位について、正しいものを1つ選べ。
  • 同一性達成型とは、人生上の危機を経験し、職業などの人生の重要な領域に積極的に傾倒している地位である。
  • 早期完了型とは、人生上の危機を発達早期に経験し、職業などの人生の重要な領域に積極的に傾倒している地位である。
  • モラトリアム型とは、人生上の危機を経験しておらず、職業などの人生の重要な領域に積極的に傾倒していない地位である。
  • 同一性拡散型とは、人生上の危機を経験していないが、職業などの人生の重要な領域に積極的に傾倒しようと努力している地位である。

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解:1】

Marciaは、青年の自我同一性を「危機」と「積極的関与」という観点から研究しました。

危機はいくつかの可能性について迷い苦しむこと、積極的関与は自分の考えや信念を表現し、それに沿って行動することを意味します。

Marciaは、面接法により、青年の自己同一性の確立度を検討し、4つの自我同一性地位を明らかにしました。その4つを以下に示します。

(1) 同一性達成:危機を経験し、積極的関与をしている。自分がどういう人間で、どういった長所や短所があるのかも理解している。

(2) モラトリアム:危機を経験中で、積極的関与をしようとしている。生き方について模索中で迷っている状態。

(3) 早期完了:危機を経験せず、積極的関与をしている。例えば、親が自分に期待する生き方を受け入れ、その道を歩んでいるが、それが自分にとって良いかは吟味していない。

(4) 自我同一性拡散:危機を経験した(あるいは、していない)、積極的関与をしていない。自分自身を見失い、一貫性をもって目的に向かった生き方が出来ないでいる状態。

選択肢と照らし合わせると、正解は1と分かります。

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02

正解:1

エリクソン自我同一性自我同一性の拡散を発達課題としていますが、マーシャは、自我同一性地位を4つに分類しています。

自我同一性地位とは、青年期のアイデンティティについて、自分の職業選択や価値観に対する葛藤(危機状態)を経験したか、自分の考えに基づいて行動しているか(傾倒、コミットメント)を軸に、4つに分けたものです。

1、 正しいです。

自我同一性達成型とは、人生のなかで起こり得る葛藤を経験し、職業選択など重要なことについて、自分の考えに基づいて行動している状態です。

2、早期完了型とは、人生の危機を経験していないけれども、自分の考えで行動しようとしている状態です。

3、モラトリアム型とは、危機の最中で迷いがあるなかで、自分の考えに基づいた行動をしようとしている状態です。

4、同一性拡散型とは、危機も傾倒も充分にしておらず、自分が何者かが分からない状態です。

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03

正解は1です。

J. E. Marciaが提起した自我同一性地位では、青年期に「危機」と「傾倒/積極的関与」を達成しているかどうかで、アイデンティティを4つに分類しています。その4つとは、「同一性達成型」「早期完了型」「モラトリアム型」「同一性拡散型」と言われています。

ここで言う「危機」とは、「自分が何者であるか?」「これまでの価値観で良いのか?」と自分を見つめ直す、「再構築の転機」を表しています。

また、「傾倒/積極的関与」とは、「目標に向かって行動や努力すること、積極的に関わること」について表しています。

1.→同一性達成型とは、「自分にとって人生上の危機を経験し、自分の目標に向かって積極的に行動している状態」を指します。よって、1は正しいです。

2.→早期完了型とは、「自分にとって人生上の危機経験はないが、自分の目標に向かって行動をしている状態」を指します。

「人生上の危機を発達早期に経験」してはいないため、2は誤りです。

3.→モラトリアム型とは、「自分は危機の最中で、自分の目標に向かって行動をしようとしている状態」を指します。

3では「人生上の危機を経験しておらず」「人生の重要な領域に積極的に傾倒していない地位」とあるため、3は誤りです。

4.→同一性拡散型とは、「危機経験もなく傾倒もないため、自分とは何者なのかわからない状態」を指します。

4は「職業などの人生の重要な領域に積極的に傾倒しようと努力している地位」とあるため、誤りです。

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