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公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午後 問141

問題

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16歳の男子A、高校1年生。Aは、友達と一緒に原動機付自転車の無免許運転をしていたところを逮捕され、これを契機に、教師に勧められ、スクールカウンセラーBのもとを訪れた。Aには非行前歴はなく、無免許運転についてしきりに「友達に誘われたからやった」「みんなやっている」「誰にも迷惑をかけていない」などと言い訳をした。Bは、Aの非行性は進んでいるものではなく、善悪の区別もついているが、口実を見つけることで非行への抵抗を弱くしていると理解した。
BがAの非行を理解するのに適合する非行理論として、最も適切なものを1つ選べ。
   1 .
A.K.Cohenの非行下位文化理論
   2 .
D.Matzaの漂流理論
   3 .
E.H.Sutherlandの分化的接触理論
   4 .
T.Hirschiの社会的絆理論
   5 .
T.Sellinの文化葛藤理論
( 公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問141 )
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この過去問の解説 (3件)

81

【正解:2】

各理論をざっと見ていきましょう。

1:非行下位文化理論とは、ある文化に対して下位にあたる文化(集団)で生きている者は非行を起こしやすい、とする理論です。

2:漂流理論とは、非行少年は常に非合法的な文化に没入しているのではなく、非合法的な文化と合法的な文化の間を漂流していると考える理論のことです。ドリフト理論とも呼ばれています。

3:分化的接触理論とは、個人が犯罪や逸脱行動に走るかどうかは、それらに触れる頻度や期間、関り合い(強度・優先順位)の深さが強く関係するとする理論です。この理論では、犯罪が日常的に行われている環境では、多くの個人がその状況を学習し、自らも犯罪に手を出すようになる、という考え方をします。「頻度」「持続期間」「強度」「優先順位」の4つがキーワードとして重視されます。

4:社会的絆理論とは、個人を社会につなぎとめておく4つの社会的絆(愛着、コミットメント、巻き込み、規範観念)が弱くなった時に非行が発生する、という理論のことです。

5:文化葛藤理論とは、ある人が行為の拠り所とする規範や文化が、同じ行為を犯罪として規制する別の規範や文化と接触・衝突し、葛藤することが、犯罪の原因である、とする理論です。犯罪は、文化間の違いや格差によって生じると考えているわけですね。

事例を見ると、Aは非行化が進んでいるわけではなく、善悪の区別はついており、非行の前歴もありません。一方で、「誘われたからやった」などの言い訳が目立ちます。

まず、複数の文化あるいは集団が云々と言う記述は見られませんので、1や5は誤りと分かります。

また3についても、例えばAの通う高校や、住んでいる地域が荒れている・治安が悪いといった記述はありませんので、誤りです。

4についても、4つの社会的絆が弱まったという記述は見られません。

残る2が正解です。非行化は進んでおらず善悪の区別はついているが、非行そのものは実際に行ってしまったという点が、まさに漂流理論に合致しています。

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33

正解:2

1、非行下位文化理論とは、非行は、ある特定の文化(サブカルチャー)と関係しており、例えば労働者階級といった下層階級に属していると、中流階級(一般文化)で成功しづらく、一般社会への反発心をもちやすいというものです。

2、適切です。

漂流理論は、善い行いと悪い行いについて理解しているものの、その間で揺れ動いている状態にあり、非行を指摘されるとその行為を正当化し、「ルールには従っている」と主張するようなことを言うというものです。

この問題のAは、「誘われた」「誰にも迷惑かけてない」という言い訳によって、自分の行為を正当化しています。

3、文化的接触理論とは、犯罪行動は、親しい関係の人に、犯罪をする仲間がいたり、犯罪を行ってもよいと考える人がいたりして、その行動をしても良いと考える人が周りに多いほど、同様の行動をする傾向にあるというものです。

4、社会的絆理論とは、人は社会とのつながりがあるために犯罪を起こさないという理論です。このため、つながりが弱くなると、犯罪につながる行為が起きると考えます。

5、文化葛藤理論では、犯罪とみなされるかどうかは、その文化におけるルールによって異なると考えます。このため、ある行動を他の文化で行い、ルール違反とされていた場合、そこに生じた葛藤が犯罪の原因となるというものです。

18

正解は2です。

1.→A. K. Cohenの非行下位文化理論とは、ある文化に対して下位にあたる文化で生きている者は非行を起こしやすいとする理論です。

この事例では、特に男子Aが下位にあたる文化で生きている者である記述はありません。よって、1は不適切です。

2.→D. Matzaの漂流理論とは、非行少年は非行を一貫して連続的に行うのではなく、根本的には合法的文化を尊重する心を持つ一方で、選択的に非行を行うとした理論です。

男子Aは非行性が進んでいるわけでもなく、善悪の判断もついていますが、原動機付自転車の無免許運転だけを選択的に行なっています。よって、2は適切です。

3.→E. H. Sutherlandの分化的接触理論とは、他者との相互作用を通じて、犯罪行動の価値観や態度、テクニック、動機を学ぶという理論です。

この事例では、原動機付自転車の無免許運転はしていますが、犯罪行動の価値観や態度、動機などを学んでいるわけではありません。よって、3は不適切です。

4.→T. Hirschiの社会的絆理論とは、個人が社会に繋ぎ止められている4つの社会的絆が途切れたとき、もしくは弱まったときに非行が起こるとした理論です。4つの社会的絆とは、「愛着」「投資 (コミットメント)」「巻き込み」「信念」です。

この事例では、特に社会的絆が失われているような記述はありません。よって、4は不適切です。

5.→T. Sellinの文化葛藤理論とは、犯罪は文化間の違いや格差によって生じるとされている理論です。

この事例では、文化間の違いや格差についての言及はありませんので、5は不適切です。

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