公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問145
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問145 (訂正依頼・報告はこちら)
20歳の女性A、大学2年生。Aは「1か月前くらいから教室に入るのが怖くなった。このままでは単位を落としてしまう」と訴え、学生相談室に来室した。これまでの来室歴はなく、単位の取得状況にも問題はみられない。友人は少数だが関係は良好で、家族との関係にも不満はないという。睡眠や食欲の乱れもみられないが、同じ頃から電車に乗ることが怖くなり、外出が難しいと訴える。
公認心理師である相談員が、インテーク面接で行う対応として、不適切なものを1つ選べ。
公認心理師である相談員が、インテーク面接で行う対応として、不適切なものを1つ選べ。
- Aに知能検査を行い知的水準を把握する。
- Aが何を問題だと考えているのかを把握する。
- Aがどのような解決を望んでいるのかを把握する。
- 恐怖が引き起こされる刺激について具体的に尋ねる。
- 恐怖のために生じている困り事について具体的に尋ねる。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:1】
教室に入るのが怖くなり、同時期に電車に乗ることが怖くなったとあります。一方で、これまでに来室歴はなく、単位の取得状況や対人関係、睡眠や食欲に問題は見られません。「不安症」が考えられますので、そこを踏まえてインテーク面接でどう関わるべきか、ということですね。
なお、インテーク面接は、主訴や背景を確認するために、情報収集を行うことと、ラポールの形成、リファーの判断を目的として行います。
情報収集という観点でみると、1~5はすべて情報収集です。
しかし1については、単位の取得状況に問題はないわけですから、知能検査の優先順位は低いです。また、ラポールが十分形成されていないこの段階で知能検査を実施するというのは、心理師側の先走り感が否めません。
残る2~5はすべて適切です。
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02
正解:1
これまで問題なく生活してきたAが、教室や電車が怖く、外出が難しいと訴えています。社会的な場面に恐怖を抱いていそうなことがわかります。
1、 不適切です。
Aの訴えから、知的レベルが心配されるものは見当たりません。
2、A自身が感じている問題点を具体的にしていくことは適切です。
3、何をもって解決とするのかは、支援の方向性を検討するために必要な情報のひとつです。
4、恐怖の対象を具体的にすることは、具体的な心理支援を検討するために必要な情報のひとつです。
5、現在の困りごとを把握するのは適切です。
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03
正解は1です。
インテーク面接の目的は、クライエントとの関係づくりと、クライエントの情報収集・情報提供の2つの側面があります。これを行なうことで、その後の治療を円滑にしていくことに役立ちます。
1.→インテーク面接は「関係づくり」という側面があるため、まだ関係ができていないところでいきなり知能検査を行なうことは、適切ではありません。
2.→Aが何が問題だと考えているのかを把握することは、クライエントの主訴を把握することにつながりますので、適切です。
3.→Aがどのような解決を望んでいるのかを把握することは、Aの治療のゴールを把握することにつながりますので、適切です。
4.→「恐怖が引き起こされる刺激について具体的に尋ねる」ことは、クライエントの情報収集につながりますので、適切です。
5.→「恐怖のために生じている困り事について具体的に尋ねる」ことは、クライエントの問題の解決につながる糸口になりますので、適切です。
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