公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問146
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問146 (訂正依頼・報告はこちら)
55歳の男性A、会社員。Aは、意欲や活気がなくなってきたことから妻Bと共に受診した。Aは4か月前に部長に昇進し張り切って仕事をしていたが、1か月前から次第に夜眠れなくなり、食欲も低下した。仕事に集中できず、部下に対して適切に指示ができなくなった。休日は部屋にこもり、問いかけに何も反応しないことが多くなり、飲酒量が増えた。診察時、問診に対する反応は鈍く、「もうだめです。先のことが見通せません。こんなはずじゃなかった」などと述べた。血液生化学検査に異常所見はみられなかった。診察後、医師から公認心理師Cに、Bに対して家族教育を行うよう指示があった。
CのBへの説明として、不適切なものを1つ選べ。
CのBへの説明として、不適切なものを1つ選べ。
- 薬物療法が治療の1つになります。
- 入院治療が必要になる可能性があります。
- できる限り休息をとらせるようにしてください。
- 今は落ち着いているので自殺の危険性は低いと思います。
- 気晴らしに何かをさせることは負担になることもあります。
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解:4】
睡眠や食事の問題、集中力の低下、部屋にこもる、悲観的な発言などから、うつ病を想定すべき事例です。Bに対する家族教育も、その前提で行う必要があります。
うつ病治療の原則は、休息と薬物治療ですから、1と3は適切と言えます。
場合によっては入院治療が必要になることもあるので、2も適切です。入院治療は、自殺防止にも役立ちます。
また、うつ病の特徴として、今まで楽しめていたことが楽しめなくなることが挙げられます。気晴らしをしても楽しめず、却って落ち込んでしまう可能性がありますので、5も適切な対応です。
残った4が不適切な対応です。“もうだめです”といった発言が見られるAの状態を“落ち着いている”と考えるべきではありません。
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02
正解:4
Aは、昇進後に不眠や食欲不振、集中力低下、活動意欲低下、飲酒量増加といった症状が現れており、Aのうつ状態は軽いものではないと考えることができます。
1、うつ病を想定すると、薬物療法は治療のひとつになります。
2、部屋にこもりがちで、反応も鈍いとのことですから、入院による休養と薬物療法が検討されることもあり得ます。
3、うつ病の可能性は高いですから、休息は大切です。
4、不適切です。
Aは先の見通しが立たず、悲観的な発言をしています。Aが死にたいと考えている可能性は否めません。
5、活動意欲が著しく低下していますから、無理強いをするのは負担と考えます。上手く行動できないことで、却って落ち込む可能性もあります。
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03
正解は4です。
Aさんの事例は、「1か月前から次第に夜眠れなくなり、食欲も低下」「仕事に集中できず、部下に対して適切に指示ができなくなった」「休日は部屋にこもり、問いかけに何も反応しないことが多くなり、飲酒量が増えた」「血液生化学検査に異常所見はみられなかった」等の症状から、うつ病が疑われます。
1.→うつ病だとしたら、薬物療法は効果的です。よって、1は適切です。
2.→現在はうつ病の急性期であることが疑われるため、自殺の危険もあります。場合によっては入院治療が必要になることもありますので、2は適切です。
3.→うつ病の急性期では、できる限り休息をとることが必要です。よって、3は適切です。
4.→うつ病の急性期では、自殺の危険性が高まります。落ち着いている状態とは言えませんので、4は不適切です。
5.→うつ病の急性期では、気晴らしに何かすることが負担になることがあり、かえって病状が悪化することがあります。よって、5は適切です。
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