問題
BのAへの対応として、不適切なものを1つ選べ。
【正解:5】
欠席の原因は分からないながらも、絶対に教室に行きたくないという明確な意思表示がある事例です。
1~4は、すべて欠席の原因を探るアプローチであるのに対し、5のみが今後の支援を考えるアプローチになっています。
本事例を考えるうえで見過ごせないのは、“絶対に”という1語です。ここには明確な意思が存在しており、裏を返せば、何かしらの原因があると想定できます。Aには耐えがたい“何か”があると考えられる、ということです。
以上のように考えると、原因を探ろうとする1~4は全て適切ということになります。
例えば1の場合、“Aが友達の連絡先を全てブロックした”という情報を保護者から得ることが出来れば、クラス内で何かあったのではないか、と考えることが可能になります。
一方、5は今後の支援を考えるアプローチですが、これは時期尚早と言えます。
例えば、Aがいじめ被害に遭っていたら(選択肢2)、毎日通うという目標設定は、多大な苦痛をAにもたらすでしょう。よって5は不適切と言えます。
正解:5
週に1回、保健室登校をしているAとの初回面談ですから、今後はAについてのアセスメントをしていくことになります。
1、学校では見せない態度や発言がある可能性もありますから、保護者に家でのAの様子を尋ねることは適切です。
2、教室を強く拒否していることから、いじめの可能性を視野に入れることは適切です。
3、問題文の中に家庭についての情報は見当たりません。家庭内で生じている問題を、クラスメイトに知られたくないため教室を拒否していることも考えられますから、家庭の状況についての情報収集は適切です。
4、Aの状況を心の問題と捉えるには、身体的な問題を否定していく必要があります。また身体的な問題があれば、そちらの治療が優先されます。
5、不適切です。
毎日登校することを目標にするかどうかを決めるのは、Aのアセスメント後になります。
正解は5です。
不登校の要因について、あらゆる角度からアセスメントする必要があります。
Aの欠席の原因はわからないとのことですので、アセスメントをすることで要因を絞ると、対応策も立てやすくなるかもしれません。
1.「可能であれば保護者にAの様子を尋ねる」、2「いじめ被害について」、3「虐待のリスク」、4。「身体症状」についてのアセスメントをすることは、不登校の要因を考えるのに必要なことですので、適切です。
5.「Aが毎日登校することを第一目標と考える」ことは、場合によっては、余計に登校できなくなるおそれもあります。正確にアセスメントを行ない、効果的でなければ毎日登校することを第一目標にすべきではありません。よって、5は不適切です。