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公認心理師の過去問 第3回(2020年) 午後 問152

問題

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16歳の男子A、高校1年生。Aは、スクールカウンセラーBのいる相談室に来室した。最初に「ここで話したことは、先生には伝わらないですか」と確認した上で話し出した。「小さいときからズボンを履くのが嫌だった」「今も、男子トイレや男子更衣室を使うのが苦痛でたまらない」「こんな自分は生まれてこなければよかった、いっそのこと死にたい」「親には心配をかけたくないので話していないが、自分のことを分かってほしい」と言う。
BのAへの初期の対応として、適切なものを2つ選べ。
   1 .
Aの気持ちを推察し、保護者面接を行いAの苦しみを伝える。
   2 .
性転換手術やホルモン治療を専門的に行っている病院を紹介する。
   3 .
誰かに相談することはカミングアウトにもなるため、相談への抵抗が強いことに配慮する。
   4 .
クラスメイトの理解が必要であると考え、Bから担任教師へクラス全体に説明するよう依頼する。
   5 .
自殺のおそれがあるため、教師又は保護者と情報を共有するに当たりAの了解を得るよう努める。
( 公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問152 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解:3・5

性別違和が主訴ですが、同時に「死にたい」と訴えているケースです。

1、 Aは、「親にわかって欲しい」と語っていますが、同時に「心配をかけたくない」と、葛藤しています。保護者にカミングアウトするためには、まずAの気持ちの整理が必要ですから、保護者面接は初期対応とはなりません。

2、Aが性転換を希望しているかどうか、現時点では明らかではないため、病院の紹介は時期尚早と考えます。

3、適切です。

カミングアウトとは、自分の生まれや病気、性に関することなど、今まで誰にも話していなかったことを周囲に伝えることです。

性別に関することは、非常にデリケートな問題です。秘密にしていたことをカミングアウトするのですから、抵抗はあったと推測できます。

4、現時点でAは、担任やクラスメイトに伝えることを希望していないため、不適切です。

5、適切です。

Aは、「死にたい」と言っており、自傷の恐れがあると判断します。この部分に関して、教師や保護者と情報共有をするため、Aの了解を得るよう努めることは適切です。

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正答は3と5です。

・スクールカウンセラーとしての職責と自覚が問われています。

・クライエントの希死念慮へ対する、公認心理師の対応が問われています。

・ジェンダーとセクシュアリティ(性的指向、性自認)についての理解が問われています。

Aを支援するためには、LGBTに関する知識を持っておくことが必要です。

LGBTは、性的マイノリティを示す言葉です。

Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダーの頭文字です。

一般的に、LGBは、性的指向が同性や両性の人をいいます。

Tは、生まれた時に割り当てられた性別と、自分自身の性別の認識である性自認の間に、違和感を抱くなどの人のことをいいます。

セクシュアリティのとらえ方には個人差があります。

1.基本的に、Aから了承を得ることなしに、面接で話された内容を第三者へ伝えてはいけません。

Aとの面接をする中で、「Aの気持ちを推察」しながら話を聞くことは重要です。

また、Aの苦しみを理解しながら、Aに寄り添っていくことが、公認心理師としての務めとなります。

面接の中で、「親には心配をかけたくないので話していないが、自分のことを分かってほしい」と話されていますが、これに対して、公認心理師が直接的に保護者にAの苦しみを伝えるということは、初期の対応としては、基本的には行いません。

面接の中で、希死念慮が話されていますので、迅速に対応をする必要はありますが、Aの同意なしに、保護者面接を行いAの苦しみを伝えることは、面接者とAとの信頼関係を損なうことへも繋がりますし、Aを追い詰めてしまうなどの問題が生じてしまう可能性があります。

デリケートな内容ですので、慎重に情報収集をしながら、Aに寄り添っていくことが必要と思われます。

2.公認心理師としての職域を越えた対応であると考えられますので、不適切です。

3.性自認の違和感を持っているという内容を他者に話すことには、抵抗があると考えられます。

カミングアウトをするときに、相手の反応にはとても敏感になるものです。

スクールカウンセラーBとしては、表情や言葉など、態度にも配慮をする必要があると思われます。

4.このような対応をすると、Aを追い詰めることになりかねません。

守秘義務にも反していると考えられますので、不適切です。

5.これまでの解説のとおりです。

まずは、スクールカウンセラーがAに、自殺のおそれがあるので、教師や保護者と情報を共有したいと伝え、Aの了承を得ることが必要です。

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正解は3と5です。

スクールカウンセラーが、クライエントである生徒から秘密を打ち明けられた際にどう対応するかという問題です。

1.→Aの気持ちを推察すると、まずはAの気持ちを理解し、いきなり保護者面接を行なうのではなく、Aの了承を得るところから始める必要があります。よって、1は不適切です。

2.→LGBTの問題だからと言って、いきなり性転換手術やホルモン治療を専門に行なっている病院を紹介するのは初期の対応としては適切ではありません。よって、2は不適切です。

3.→LGBTという、性的違和をカミングアウトすることについては、相談への抵抗がとても強かったであろうことを配慮し、対応する必要があります。よって、3は適切です。

4.→先生にも知られたくないのに、クラスメイトに知られるとなると、スクールカウンセラーとAの信頼関係は失われます。よって、4は不適切です。

5.→「こんな自分は生まれてこなければよかった、いっそのこと死にたい」と言っていることから、自殺の危険性は十分あります。自殺の危険性がある場合は守秘義務を超えてAを守らなくてはならないため、できるだけAの了承を得て保護者や教師と情報共有できるよう努める必要があります。よって、5は適切です。

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