公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問47
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問47 (訂正依頼・報告はこちら)
公認心理師の基本的なコンピテンシーについて、最も適切なものを1つ選べ。
- 科学的な知見を参考にしつつも、直観を優先して判断する。
- 要支援者への関わり方や対応の在り方を自ら振り返って検討する。
- 普遍的な視点に立ち、文化的背景を考慮せず、要支援者を同様に扱う。
- 専門職としての知識と技術をもとに、最低限の実践ができるようになってから職業倫理を学ぶ。
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この過去問の解説 (2件)
01
N.A.Fouadらの提唱したコンピテンシー・モデルでは、基盤コンピテンシー、機能コンピテンシー、職業的発達の3次元で構成されています。基盤コンピテンシーには、
1.専門家としての姿勢
2.反省的実践
3.科学的知識と方法
4.治療関係
5.文化的ダイバーシティ
6.他職種協働
7.倫理・法的基準と政策
があり、心理師としての姿勢や倫理観、行動規範が含まれています。
3.科学的知識と方法ではなく、直感を優先するのは不適切なので、誤りです。
2.反省的実践の説明ですので正しいです。
5.文化的ダイバーシティを考慮していないため不適切です。
7.倫理・法的基準と政策を知らずして、実践に入ってはなりませんので不適切です。
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02
この問題は、「公認心理師現任者講習会テキスト」の内容を基に解説します。
「コンピテンシー」とは、「特定の専門家が、適切で効果的なやり方で業務を行う資格をもち、その専門職の倫理観や価値観に沿ったやり方で、適切な判断、批判的な思考、そして意思決定ができること」を意味します。
心理職としてのコンピテンシー・モデルは、基盤コンピテンシー、機能コンピテンシー、職業的発達の3つの次元で設定された立方体モデルが知られています。
この問題では、基盤コンピテンシーの理解について問われています。
基盤コンピテンシーとは、心理職に不可欠な姿勢、価値観、行動規範、倫理的姿勢などが示されており、具体的には次の7つです。
①専門家としての姿勢
②反省的実践
③科学的知識と方法
④治療関係
⑤文化的ダイバーシティ
⑥他職種協働
⑦倫理・法的基準と政策
では、選択肢を見てみましょう。
基盤コンピテンシーの説明としては不適切です。
「③科学的知識と方法」では、研究やデータなどの科学的な知見を取り入れ、実践においても応用する事が示されており、直観を優先することは勧められていません。
基盤コンピテンシーの説明として適切であり、この問題での正答となります。
「②反省的実践」では、公認心理師自身の対応や姿勢、他者への影響などを見直し、振り返る力の重要性が示されています。
基盤コンピテンシーの説明として不適切です。
「⑤文化的ダイバーシティ」では、社会文化的な要因について敏感に気づき、配慮する態度について示されています。
基盤コンピテンシーの説明として不適切です。
「⑦倫理・法的基準と政策」では、職業倫理を念頭においている事が示されています。公認心理師として勤める前から職業倫理を十分に理解しておく事が必要と言えます。
機能コンピテンシーは、実際の業務における必要な技能を示しています。心理的アセスメント、介入、スーパービジョン・教育、研究と評価、管理・運営、コンサルテーション、アドボカシーの7つについて取り上げられていますので、よく確認しておきましょう。
職業的発達とは、訓練と実践の水準を示し、実践を積むにしたがって高度で洗練されていくと考えます。自身がどのような段階の公認心理師であるのか振り返りながら、実践に取り組む事が重要です。
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