公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問67
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問67 (訂正依頼・報告はこちら)
小学3年生のある学級では、1学期の始めから学級での様々な活動に対し積極的で自主的に取り組む様子がみられた。そこで、児童のやる気をさらに高めるために、児童が行った活動に点数をつけて競わせることが試みられた。その結果、2学期になると、次第に点数のつかない活動では、児童の自主的な取組がみられなくなり、3学期になるとさらにその傾向が顕著になった。
この現象を説明するものとして、最も適切なものを1つ選べ。
この現象を説明するものとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 学級風土
- 遂行目標
- 期待価値理論
- ピグマリオン効果
- アンダーマイニング効果
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
正答は5です。
1.学級風土とは、学級における風土(集団の雰囲気)のことです。
学級を構成する、物理的、組織的、人的側面などから、多面的に成り立っているものです。
2.遂行目標とは、ある課題を遂行する際の目標のことです。
遂行目標には、「接近」の遂行目標と、「回避」の遂行目標があります。
接近遂行目標は、他者から良い評価を得たいという目標です。
回避遂行目標は、他者からの低い評価を避けたいという目標です。
3.期待価値理論とは、期待と価値の関数によって行動が生起するとする理論のことです。
4.ピグマリオン効果は「教師期待効果」ともいいます。
教師が期待したことによって、児童の成果が伸びるという理論です。
しかしながら、近年の研究では、ピグマリオン効果が認められない報告もみられます。
5.アンダーマイニング効果とは、内発的に動機づけられた行動に対し、報酬などの外発的要因を与えると、内発的動機づけが低下することです。
小学3年生のある学級において、点数をつけて競わせることにより、点数のつかない活動で自主的な取組みがみられなくなったのは、アンダーマイニング効果による現象です。
点数をつけることが外発的要因にあたります。
点数をつけることにより、児童の内発的動機づけが低下したと考えられます。
参考になった数44
この解説の修正を提案する
02
正解は5です。
1.→✖
学級風土とは、その学級の多角的な側面から規定される特性のことです。
2.→✖
遂行目標とは、自分の能力に対して肯定的な評価をもとめ、否定的な評価を回避しようとする目標のことです。
3.→✖
期待価値理論とは、課題に対する達成動機は個人の達成動機×主観的な成功率×成功する価値で示されるとしたアトキンソンの理論です。
4.→✖
ピグマリオン効果とは、教師の期待によって生徒の成績や反応に変化が生じることです。期待の内容が肯定的であれば肯定的な変化を、期待の内容が否定的であれば否定的な方に変化をします。
5.→〇
アンダーマイニング効果(過正当化効果)とは、外的報酬をあたえることで、内発的動機付けが低下することです。点数と言う外的報酬が与えられることで、積極性や自主性が失われていますのでこの選択肢が適切です。反対に、内発的動機付けが低い者に外的報酬を与えることで内発的動機づけを高めることをエンハシング効果といいます。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問66)へ
第4回(2021年)問題一覧
次の問題(問68)へ