公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問79
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
教育相談の現場での遊戯療法において、小学4年生の女子Aが、「授業が分からない」、「友達がいなくて学校に居場所がない」、「お父さんがお布団に入ってくる」、「おばあちゃんが入院中で死なないか心配」と話した。
公認心理師として、最も優先的に考慮するべきものを1つ選べ。
公認心理師として、最も優先的に考慮するべきものを1つ選べ。
- Aの学力
- Aの祖母の病状
- Aの父親の行動
- Aの学校での居場所
- Aのソーシャル・スキル
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この過去問の解説 (2件)
01
文中に、いくつかの情報が散りばめられていますね。
「遊戯療法」という精神療法の内容を問う問題と思いきや、クライアントの「学習遅延」「学校生活での孤立化」「家庭内で起こった父親との出来事」「身近な人の死に対する不安」という10歳女性の身に生起している問題が次々と出てきます。
この問題は、公認心理師として、様々な情報に直面した際、まずもってクライアントの安全確保に基づいたコンプライアンス重視の対応をしなければならないことが認識できているかどうかが問われています。
つまり、「お父さんがお布団に入ってくる」という児童虐待防止法でいうところの性的虐待に対して通告の義務があるわけですから、ここにしっかりコミットしていかなければなりませんね。
ですから、選択肢③の父親の行動について、優先的に考慮する必要があります。
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02
公認心理師として、最も優先的に考慮するべきものを1つ選ぶ必要があります。
一見、遊戯療法などの精神療法についての問題に見えますが、クライアントの安全確保に基づいたコンプライアンス重視の対応ができるかどうかが問われています。
Aの学力については問題の解決に直接的に関係がなく、優先的に考慮する必要はありません。
Aの祖母の病状については、Aの心理的負担につながる可能性がありますが、直接的に問題の解決に関係するわけでありません。
そのため、優先的に考慮する必要はないと言えます。
Aの父親がお布団に入ってくるという発言は、性的虐待の可能性があるということを示唆しています。
そのため、Aの安全性を確保するためにも、最も優先的に考慮する必要があると言えます。
Aが友達がいなくて学校に居場所がないという発言をしていますが、これは心理的負担があることを示唆しているものの、直接的に問題を解決することにはつながらないと考えられます。
そのため、優先的に考慮する必要はありません。
Aのソーシャル・スキルについては、問題の解決には間接的に関係があるものの、最も優先的に考慮する必要はないと考えられます。
実際は児童虐待防止法において、性的虐待に対しては、通告の義務が法律で規定されています。
医師、看護師、保育士、教員、学校心理士、公認心理師、弁護士など、児童福祉に携わる職業の人が、児童に対して性的虐待が疑われる場合には、所轄の児童相談所に通告する義務があります。
通告を怠った場合には、罰則が設けられています。
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