公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問142

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問142 (訂正依頼・報告はこちら)

54歳の男性A、会社員。仕事への興味の減退を主訴に心理相談室に来室した。Aは、大学卒業後、技術系の仕事に就き、40歳代で管理職になった。4か月前にゴルフ友達が亡くなったのを機に不眠傾向となり、かかりつけ医から睡眠薬を処方された。しかし、症状は改善せず、体調不良を自覚して検査を受けたが異常は指摘されなかった。清潔な身なりで礼容は保たれているが、張りのない声で、「楽しい感情が湧かない」、「ゴルフが大好きだったのに行く気がしない」、「ふさぎ込んでいるので家庭の空気を悪くして申し訳ない」と述べた。飲酒習慣は晩酌程度という。
最も優先して確認するべきAの症状を1つ選べ。
  • 易疲労感
  • 希死念慮
  • 自信喪失
  • 早朝覚醒
  • 体重減少

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この過去問の解説 (2件)

01

事例のAに関する記述のキーポイントは、以下になります。

① 4か月前にゴルフ友達が亡くなったのを機に不眠傾向となり、かかりつけ医から睡眠薬を処方された。

➡身近な友人がなくなることは、後追いの自殺の可能性が高まります。

モーニングワークが適切にできていない可能性があります。

② 「楽しい感情が湧かない」、「ゴルフが大好きだったのに行く気がしない」、「ふさぎ込んでいるので家庭の空気を悪くして申し訳ない」という発言

 ➡欲求の減退から、うつ症状や抑うつ気分が考えられます。

③ 不眠傾向が改善されていない。

抑うつ、もしくはうつ症状がこの患者さんから考えられ、選択肢いずれの症状も抱えている、もしくは今後起こる可能性があります。

しかし抑うつの患者さんであること、①のモーニングワークの点からも、最優先すべきは自殺企図の可能性です。

選択肢2. 希死念慮

50代男性の自殺率は、多くの国で高い傾向にあります。

日本においても、2020年の自殺者数のうち50代男性が最も多く、事例の内容からも危険性が高いです。

よって正解です。

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02

事例の男性Aに関する記述を整理すると、以下のようになります。

・抑うつ気分・・・「ふさぎ込んでいる」

・喜びの著しい減退・・・「楽しい感情がわかない」「ゴルフが大好きだったのに行く気がしない」

・不眠または過眠・・・「不眠傾向」

・易疲労性、または気力の減退・・・「仕事への興味の減退」

・無価値観、不適切な罪責感・・・「家庭の空気を悪くして申し訳ない」

これらから抑うつ状態を疑います。選択肢いずれの症状も抱えている可能性がありますが、抑うつ状態にあるクライエントの場合、最優先すべきは自殺リスクの評価ですので、「希死念慮」が最も優先されます。

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