公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問44 (午前 問44)

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問題

公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問44(午前 問44) (訂正依頼・報告はこちら)

アセスメントを目的とした学校での子どもの行動観察について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 観察者が単独で場所や時間を限定して行う。
  • 焦点をあてる具体的な行動を明確にして行う。
  • 記録方法としては、量的な記録よりも質的な記録が適している。
  • 行動を観察することで、子どもの内面を理解することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

  1. 1. 普段の学校生活の自然な行動を観察することが大切です。よって、場所や時間を限定するのは適切ではありません。
  2. 2. 行動観察は、ただ漫然と行うのではなく、アセスメントの目的に従って具体的な行動を明確にする必要があります。例えば「授業中に歩き回ってしまう」子どもの場合、その子の衝動性や多動性が表れる行動に焦点をあてて観察を行います。
  3. 3. 先に述べた「歩き回る」例の場合、「どのように席を立ってしまうか」「どんな場面で集中力が途切れやすいか」といった質的な記録のみならず、「何回離席したか」といった量的な記録も貴重な情報となります。
  4. 4. 子どもの内面は行動に出るものもあれば、行動と内面が合致せずに本人が葛藤を抱えているケースも多々あります。先に述べた例で言えば、たとえ本人が「楽しそうに笑いながら歩き回っている」という行動をしていても、あとで後悔したり自信をなくしたりする場合が挙げられます。

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02

正解は2です。

 

1.→✖

場所を限定して観察する方法を場所見本法時間を限定して観察する方法を時間見本法といいます。場所や時間を観察者が限定しているのではなく、学校という環境により限定されています。

 

2.→〇

事象見本法のことだと思われます。行動を焦点化し観察することで、生起・経過・結果を観察する方法です。

 

3.→✖

離席の回数など場合によっては量的な記録をすることも必要です。

 

4.→✖

行動を観察することで内面を見立てようとはしますが、行動から内面を理解することは難しいです。

 

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03

スクールカウンセラーとして働く場合には、学校内で児童生徒の行動観察を行うことがあります。スクールカウンセラーとしての大切な業務の一つですので、その意義や方法についてよく学んでおきましょう。

選択肢1. 観察者が単独で場所や時間を限定して行う。

誤りです。

スクールカウンセラーが単独で観察する場合もありますが、担任教諭や養護教諭、管理職などを一緒に観察を行う場合もあります。また、場所や時間を限定するよりも、さまざまな場面を見ることが大切です。教室内での様子と体育館での様子の違いはあるか、朝と昼過ぎの違いはあるかなどを見ることによって、有効なアセスメントにつながると期待されます。

選択肢2. 焦点をあてる具体的な行動を明確にして行う。

正答です。

アセスメントを必要とする児童生徒には、学校内で何らかの問題となる行動や場面があると考えます。特にどのような行動が問題となっているのか、先生方が心配しているのかを明確にした上で行動観察を行いましょう。

選択肢3. 記録方法としては、量的な記録よりも質的な記録が適している。

誤りです。

質的な記録も大切ですが、量的な記録が必要な場合もあります。問題とされている行動が一日に何回見られるのか、教科によって起こる回数が異なるのか、場所によって回数が異なるのかなどの比較をすることも支援のためには有効です。

選択肢4. 行動を観察することで、子どもの内面を理解することができる。

誤りです。

行動観察によって理解できる事も多くありますが、子どもの内面まで理解できると考えることは不適切です。行動観察以外にも、本人と直接関わる(話したり、遊んだりする)、教職員や保護者からの話を聴く、本人の書いた文字や絵などを見るなどの方法によって、より内面を理解することにつながると考えられます。

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