公認心理師 過去問
第1回 追加試験(2018年)
問67 (午前 問67)
問題文
14歳の女子A、中学2年生。Aの母親Bは、Aの不登校について相談するために、中学校のスクールカウンセラーを訪ねてきた。Aは、朝に体調不良を訴えて2週間ほど欠席が続くようになった。Bが理由を聞いてもAは話したがらず、原因について分からない状態が続いていると、Bは家庭での様子を説明した。学習の遅れも心配で、Aに対して登校を強く促す方が良いのか、黙って見守った方が良いのか判断がつかない。「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒で家庭訪問をしてAの気持ちを聴いてほしい」とBから依頼された。
このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第1回 追加試験(2018年) 問67(午前 問67) (訂正依頼・報告はこちら)
14歳の女子A、中学2年生。Aの母親Bは、Aの不登校について相談するために、中学校のスクールカウンセラーを訪ねてきた。Aは、朝に体調不良を訴えて2週間ほど欠席が続くようになった。Bが理由を聞いてもAは話したがらず、原因について分からない状態が続いていると、Bは家庭での様子を説明した。学習の遅れも心配で、Aに対して登校を強く促す方が良いのか、黙って見守った方が良いのか判断がつかない。「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒で家庭訪問をしてAの気持ちを聴いてほしい」とBから依頼された。
このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- Aが希望すれば家庭訪問をすると説明する。
- 管理職と相談して家庭訪問について検討する。
- Aの様子を聴き、医療機関で検査や治療を受けるよう勧める。
- 「心配しなくて大丈夫です。そのうち解決しますよ」と励まし面談を終了する。
- 理由がはっきりしないのであれば、学校に行くよう促した方が良いと助言する。
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この過去問の解説 (3件)
01
スクールカウンセラーの対応に関する問題です。
「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒で家庭訪問をして Aの気持ちを聴いてほしい」というBからの依頼に対し、これを受けることはできません。
担任教師に内緒にするということは、チーム学校・連携の対応に反することです。
したがって、Aが希望すれば家庭訪問をすると説明するのは不適切です。
管理職と相談して家庭訪問について検討することは、適切です。
チーム学校・連携の対応として適切です。
報告・連絡・相談をすることは、仕事をする上で基本的かつ重要なことです。
現時点ではBから話を聞いている段階なので、A本人の実際の様子はわかりません。
したがって、Aの様子を聴き、医療機関で検査や治療を受けるよう勧めることは、適切とはいえません。
「心配しなくて大丈夫です。そのうち解決しますよ」と励まし面談を終了することは不適切です。
そのうち解決するかどうかは、わかりません。
Bが心配をしていることを丁寧に扱うことが、スクールカウンセラーとして求められます。
理由がはっきりしないのであれば、スクールカウンセラーとして具体的な助言はできないはずです。
学校に行くよう促した方が良いと助言することは、無責任な助言です。
Aに学校に行くよう促した方が良いと助言するのは、その根拠や理由があってからのこととなります。
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02
正解は2です。
1.→×
スクールカウンセラーは原則として、家庭訪問を行いません。
2.→○
スクールカウンセラーが家庭訪問するには、①学校長が必要性があると判断し②保護者の了承が得られ③担任が同行する必要があります。そのため、管理職との相談は必要といえます。
3.→×
Aさんの症状が明記されていませんので、医療機関をすすめる理由や検査の必要性が明確ではありません。リファーする際には、クライエントにも説明が必要ですので理由は明確にしておきます。
4.→×
発言を受けたBさんの気持ちも考えましょう。丁寧なアセスメントの結果、本当に大丈夫だとしてもわざわざ相談にくるBさんの切迫感も取り扱うとよいと思います。
5.→×
理由がわからないまま、促すのはアセスメント不足と言わざるを得ません。責任をもった発言を心がけましょう。
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03
以下に解説します。
×
スクールカウンセラーが担任への連絡・相談なしに自己判断で家庭訪問を行うことは、公認心理師法第42条「連携の義務」に反するため不適切です。
〇
Aさん本人が学校に来ることが難しい不登校事例になります。
こういった場合は、上司もしくは管理者に報告したうえで学校長や担任、養護教諭、不登校担当職員等と連携しながら家庭訪問の必要性や可否を協議しながら対応することが求められます。
公認心理師試験ではこのように多職種との連携を土台とするマインドセットができているかを問われることが多いです。
×
本事例ではBさんからの聞き取りでしかAさんの様子を把握できておらず、リファーを行うことが必要かどうかの判断材料が不足しているため適切な対応とはいえません。
×
問題文では「心配しなくても大丈夫」、「そのうち解決する」とする根拠が乏しく、面談を終了するという対応も適切であるかが判断できかねる段階です。
そのためこういった対応はスクールカウンセラーの職責にそぐわない行為であり不適切です。
×
「理由がはっきりしない」という文言から、現状ではアセスメントが十分に行えておらず情報不足であることが分かります。
この段階で具体的な対応方法について助言を行うことは適切ではありません。
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