公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問44 (午前 問44)

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 問44(午前 問44) (訂正依頼・報告はこちら)

我が国における思春期・青年期の自傷と自殺について、適切なものを1つ選べ。
  • 10代の自殺者数は、男性よりも女性の方が多い。
  • 10代の自傷行為は、女性よりも男性の方が多い。
  • 非致死性の自傷行為は、自殺のリスク要因ではない。
  • 繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い。

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この過去問の解説 (3件)

01

思春期・青年期の自傷と自殺についての問題です。では一つずつ見ていきましょう。

選択肢1. 10代の自殺者数は、男性よりも女性の方が多い。
  1. 厚労省の報告によると、10代の自殺者数は女性より男性の方が多いとされています。

選択肢2. 10代の自傷行為は、女性よりも男性の方が多い。
  1. 10代の自傷行為は、男性より女性の方が多いとされています。

選択肢3. 非致死性の自傷行為は、自殺のリスク要因ではない。
  1. 自傷行為はたとえ「非致死性」であっても、自殺のリスク要因の一つです。

選択肢4. 繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い。
  1. 自傷行為はアディクション(依存症)の一つと言われています。アディクションに陥りやすい人には「自身の行為をコントロールできない」「心の虚しさを埋めようとする」といった特徴が見られ、アルコール依存や薬物依存など同時に複数の依存症になりやすいと言われています。

まとめ

自傷や自殺は、公認心理師が直面する重要なテーマです。押さえておきましょう。

参考になった数13

02

この問題の正解は、繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い。 です。

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. 10代の自殺者数は、男性よりも女性の方が多い。

誤りです。令和2年の厚生労働省の自殺の状況調査によると、少年の自殺者の構成比は男性が60%で多いです。

選択肢2. 10代の自傷行為は、女性よりも男性の方が多い。

誤りです。”わが国における自傷行為の実態”によると、16から29歳における自傷行為経験の割合は女性15.7%,男性3.0%です。

選択肢3. 非致死性の自傷行為は、自殺のリスク要因ではない。

誤りです。自傷行為の背景には自身を傷つけてしまう破滅願望が存在することは想像に難くなく、それが希死念慮につながる可能性は高いといえます。

選択肢4. 繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い。

正解です。自殺の原因には家庭や勤務など社会的な問題、経済的な問題など様々な背景があります。一方、薬物依存の原因もこれに類似しており、2つの間に関連があると考えることは妥当です。

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03

 正答は「繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い」です。

 以下に各選択肢について解説します。

選択肢1. 10代の自殺者数は、男性よりも女性の方が多い。

 誤りです。厚生労働省自殺対策推進対策室「令和5年中における自殺の状況」によると、10代の自殺者数は男性で431名、女性で379名と男性の方が多くなっています。

選択肢2. 10代の自傷行為は、女性よりも男性の方が多い。

 誤りです。わが国における自傷行為の実態(2010)では、16~29歳における自傷経験数は女性で43名、男性で7名となっています。

選択肢3. 非致死性の自傷行為は、自殺のリスク要因ではない。

 誤りです。非致死性であっても自傷行為は自殺のリスク要因になります。

選択肢4. 繰り返される自傷行為は、薬物依存・乱用との関連が強い。

 正しいです。自傷行為には心の隙間を埋めたり、目の前の困難な状況を回避したりする作用もあり、それは薬物依存や乱用につながる心理機制と根底でつながっています。

まとめ

 自殺・自傷の重要な社会的な問題です。公認心理師として対応する場面も多くあるので基本的な情報はおさえておく必要があります。

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