公認心理師の過去問
第5回 (2022年)
午前 問74
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問題
公認心理師試験 第5回 (2022年) 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
29歳の男性 A、会社員。経理関係の部署から営業部に異動後半年経過した頃から、意欲が減退し、出社できない日もあり、上司から社内の心理相談室を紹介され、公認心理師 Bが面接した。Aは、初めての営業の仕事であったが、同僚や上司にうまく頼ることができず、仕事になかなか慣れることができないという。Aは、もともとコミュニケーションが苦手なところがあったが、今では人と会うのも怖くなっており、また、取引先との円滑なやりとりができそうにないと、営業の仕事を続けることについての不安を訴えている。
Aのアセスメントにおいて、テストバッテリーに含める検査として、不適切なものを1つ選べ。
Aのアセスメントにおいて、テストバッテリーに含める検査として、不適切なものを1つ選べ。
- AQ−J
- BDI−Ⅱ
- IES−R
- LSAS−J
- STAI
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この過去問の解説 (2件)
01
各心理検査の特徴をおさえ、Aの現状や症状から不適切な検査を選択します。
AQ日本語版自閉症指数は、個人の自閉症傾向を測定する目的で開発されたテストです。成人は自己評価、児童用は保護者などによる他者評価で、「社会的スキル」「注意の切り替え」「細部への関心」「コミュニケーション」「想像力」の5つの下位尺度からなります。Aはもともとコミュニケーションが苦手というところから、自閉傾向を測定するのは適切といえます。
ベック抑うつ質問票(Beck Depression Inventory:BDI-Ⅱ)は、13歳~80歳の抑うつ症状の有無と、その程度を客観的に測る自記式質問調査票です。意欲低下や出社も困難なことから、抑うつ症状がみられるため、適切な検査といえます。
改訂出来事インパクト尺度(Impact of Event Scale-Revised:IES−R)は、PTSD評価尺度です。災害から個別被害まで、幅広くPTSD関連症状の測定が可能です。Aの状況から過去に大きなショックを受ける経験は見受けられないため、不適切な検査といえます。
リーボヴィッツ社交不安尺度(Liebowitz Social Anxiety Scale:LSAS-J)は、社交不安障害を測定する目的で開発された尺度です。24の状況に対する「恐怖感/不安感の程度」と「回避してしまう程度」を4段階で回答します。人に会うことも怖いとのAの症状から、適切な検査といえます。
状態・特性不安検査(State Trait Anxiety Inventory:STAI)は、特定の場面で感じられる状態不安と、状況などに影響されず長期的に感じている特性不安を測定するテストです。営業の仕事を続けることに対する不安を訴えているとのことから、適切な検査といえます。
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02
心理検査に関する設問です。
AQ‐J(日本語版自閉症指数)は、個人の自閉症傾向を測定するためのテストです。
設問中に「もともとコミュニケーションが苦手なところがあった」とあるので、不適切とは言えません。
BDI−Ⅱ(ベック抑うつ尺度)は、抑うつ症状の重症度の診断やスクリーニング検査としても利用されます。
設問中に意欲の減退や出社できないなど抑うつ症状がみられるため、適切な検査と考えられます。
IES−R(改訂出来事インパクト尺度)は、心的外傷後ストレス症状を測定するためのテストです。
設問中に、尺度に該当するような出来事は見当たらず、不適切な検査と考えられます。
LSAS−J(リーボヴィッツ社交不安尺度)は、社交不安障害(SAD)の程度を測定するためのテストです。
設問中に、「人に会うのも怖くなっている」などの不安を訴える記述があり、適切な検査と考えられます。
STAI(状態‐特性不安尺度)は、不安を測定するためのテストです。
設問中に、不安を訴える箇所があるため、適切な検査と考えられます。
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