公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問84 (午後 問7)

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 問84(午後 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

注意の抑制機能に関連する現象として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 盲視
  • 相貌失認
  • ファイ現象
  • McGurk効果
  • ストループ効果

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この過去問の解説 (3件)

01

人は、多くの人がいて騒がしいカクテルパーティのような状況でも特定の話を聞き取ることができるように、一方への注意を抑制し、もう一方へ注意を向けるといった認知機能を利用しています。この機能に関わる現象を選択します。

選択肢1. 盲視

盲視は、脳の視覚野が損傷し目に見えていないのにも関わらず、障害物を避けることができる様に、無意識に見えている現象のことをいいます。注意の抑制による現象ではありません。

選択肢2. 相貌失認

脳の障害による失認の一つです。目や鼻などの顔のパーツは認識できるが、顔全体を見ても誰なのか認識できない障害です。注意の抑制による現象ではありません。

選択肢3. ファイ現象

まず、静止画を連続で呈示したときに動いているように見える仮想運動をベータ運動といいます。ファイ現象は、ベータ運動において、呈示間隔や空間距離などを適切に調節したときに、動きがきれいで鮮やかに見える現象をいいます。注意の抑制による現象ではありません。

選択肢4. McGurk効果

McGurk効果は、例えば「ガ」と発音する口の動きに,「バ」の音声を重ねた映像を呈示した場合に,視覚情報・聴覚情報のどちらでもなく「ダ」のように聞こえる錯覚現象です。注意の抑制による現象ではありません。

選択肢5. ストループ効果

ストループ効果とは、例えば文字の色を回答するように呈示された文字が、赤色で書かれた「あか」であった場合と、青色で書かれた「あか」であった場合で、青色の「あか」の方が回答に時間がかかる現象のことをいいます。時間がかかる理由は、「文字の読み」情報によって「文字の色」への注意が抑制されるためです。したがって、ストループ効果が正解です。

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02

認知機能に関する設問です。

選択肢1. 盲視

盲視とは、脳の視覚野が損傷を受けて知覚経験としては「見えていない」にもかかわらず、視覚情報に応答することがあることです。

選択肢2. 相貌失認

相貌失認とは、脳障害の一つで、顔のパーツ(鼻や目など)は認識できるが、顔全体を見て個人を特定することができないことです。

選択肢3. ファイ現象

ファイ現象とは、仮現運動を引き起こす代表的な現象です。静止画の連続により動いているように見える現象のことです。

選択肢4. McGurk効果

McGurk効果(マガーグ効果)とは、具体的には「が」と発音している画像に、「ば」という音声を組み合わせて見せると、「だ」と発音しているように聞こえるというものです。

人の認知が音を聞く時にも聴覚刺激と視覚刺激相互に影響していることを示しています。

選択肢5. ストループ効果

ストループ効果とは、文字の意味と文字の色のように2つの情報が干渉しあう現象のことです。

例えば (赤 ) (赤 )。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 盲視

大脳視覚野が損傷して意識的な視覚が失われているにもかかわらず、刺激に対する無意識的な反応が見られる現象です。

選択肢2. 相貌失認

顔を認識する能力が損なわれる障害です。主に側頭葉の損傷によって生じます。注意の抑制機能とは無関係になります。

選択肢3. ファイ現象

静止した画像が高速で切り替わると、動いているように見える錯覚です。知覚心理学に関する現象です。

選択肢4. McGurk効果

聴覚情報と視覚情報が統合され、異なる知覚が生じる現象です。聴覚情報と口の動きが異なると、知覚される音が変化します。マルチモーダル知覚に関する現象です。

選択肢5. ストループ効果

正解です。ストループ効果は色名が異なる色で書かれている単語(例:「赤」と書かれた青色の文字)を読む際、単語の意味と視覚的な色が干渉し、反応が遅れる現象です。

注意の抑制機能(抑制制御) とは、不要な情報を無視し、必要な情報に集中する能力のことです。この機能が適切に働くことで、認知的な干渉を抑えながら効率的に情報を処理できます。

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