公認心理師 過去問
第5回 (2022年)
問117 (午後 問40)

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問題

公認心理師試験 第5回 (2022年) 問117(午後 問40) (訂正依頼・報告はこちら)

スクールカウンセラーが児童生徒理解を進める上で、不適切なものを1つ選べ。
  • 児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う。
  • 身体的、心理的及び社会的な側面からの理解を大切にする。
  • 児童生徒の言動を批判したくなる場合でも、まずは共感的な態度で話を聴く。
  • 作文や授業で制作した絵や造形物などの表現を通して児童生徒の理解に繋げる。
  • 児童生徒の課題を深く理解するために、関係する教師が参加する事例検討会を開催する。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題の正解は、児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う。 です。

各選択肢については、以下の通りです。

選択肢1. 児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う。

児童生徒に相談を受け、カウンセリングを行う機会が多くあると想定されますが、その都度詳細な心理検査を実施するのは現実的ではなく不適切であると考えられます。

選択肢2. 身体的、心理的及び社会的な側面からの理解を大切にする。

スクールカウンセラーが様々な側面からのアプローチにより児童生徒の心理的問題への解決を試みることは、児童生徒理解に重要であるといえます。

選択肢3. 児童生徒の言動を批判したくなる場合でも、まずは共感的な態度で話を聴く。

カウンセリングにおいて話を傾聴することは不可欠であるので、これは児童生徒理解に重要であるといえます。

選択肢4. 作文や授業で制作した絵や造形物などの表現を通して児童生徒の理解に繋げる。

児童の抱える心理的な問題が絵や造形物に表現されることがあり、児童生徒理解に重要であるといえます。

選択肢5. 児童生徒の課題を深く理解するために、関係する教師が参加する事例検討会を開催する。

課題は各児童においてそれぞれであり、関係する教師を交えてその内容を共有する事例検討会を開催することは適切であるといえます。

参考になった数5

02

スクールカウンセラーの仕事では、学校ならではのアセスメントや他職種との連携が求められます。学校の仕組みやスクールカウンセラーとしての基本的な態度を理解しておきましょう。

この問題では、「児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う」が正答となります。

選択肢1. 児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う。

正答です。スクールカウンセラーの対応として不適切と言えます。

心理検査は、必要に応じて実施するものであり、支援前に必ず実施するものではありません。まずは、十分にお話を聴いて信頼関係を築く事が必要と言えます。

また、心理検査に必要な用具の準備、スクールカウンセラーの勤務時間などを考慮しても、現実的な対応とは言えません。

選択肢2. 身体的、心理的及び社会的な側面からの理解を大切にする。

誤答です。スクールカウンセラーの対応として適切です。

児童生徒の心理的な側面だけでなく、身体的、社会的な側面の理解も大切です。

身体的とは、病気があるかだけではなく、睡眠や食事などを十分にとっているかなどの生活面を理解する事と言えます。

社会的とは、学校内での人間関係や所属、家庭の状況、学校外での社会参加などの様子を理解する事と言えます。

広い視野で児童生徒を理解しようとする事が重要です。

選択肢3. 児童生徒の言動を批判したくなる場合でも、まずは共感的な態度で話を聴く。

誤答です。スクールカウンセラーの対応として適切です。

児童生徒との信頼関係を築くために、共感的な態度で話を聴きましょう。批判したくなるような内容がある場合にも、批判するのではなく、児童生徒の困り感として捉える、一般性を取り入れながら話すなど、丁寧な関わりが大切です。

選択肢4. 作文や授業で制作した絵や造形物などの表現を通して児童生徒の理解に繋げる。

誤答です。スクールカウンセラーの対応として適切です。

作文や造形物からは、児童生徒の知的側面だけでなく、得意不得意、考え方の特徴、心の状態などを知るきっかけとなります。アセスメントのための重要な情報の一つと言えます。

また、心の状態の変化が作文や造形物に表れる事もありますので、支援の過程で何度か見せてもらう事も良いと言えます。

選択肢5. 児童生徒の課題を深く理解するために、関係する教師が参加する事例検討会を開催する。

誤答です。スクールカウンセラーの対応として適切です。

児童生徒に関する詳細な情報を得る事ができるだけでなく、教師の視点からはどのように見えるのかを知る機会にもなりますし、スクールカウンセラーとしての考えを伝える場面にもなります。

まとめ

スクールカウンセラーは学校に1人の配置が多いですので、働き始める前に、スクールカウンセラーとしての振る舞いや働き方を理解しておく事が大切です。また、学校の先生方との信頼関係を築く事で、児童生徒への支援も充実しますので、他職種との連携を大切にしましょう。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 児童生徒に具体的な支援を行う前に詳細な心理検査を行う。

こちらが不適切です。スクールカウンセラーは、具体的な支援を行う前に必ずしも詳細な心理検査を行う必要はありません。支援を始める際には、まずは児童生徒と信頼関係を築き、観察や会話を通じて理解を深めることが重要です。詳細な心理検査は、その後に必要に応じて行うことが一般的です。カウンセリングの初期段階で心理検査を強調しすぎると、児童生徒が警戒してしまうことがあります。

選択肢2. 身体的、心理的及び社会的な側面からの理解を大切にする。

児童生徒の理解は、身体的、心理的、社会的な側面から総合的に行うことが重要です。これにより、より多角的な支援が可能となります。

選択肢3. 児童生徒の言動を批判したくなる場合でも、まずは共感的な態度で話を聴く。

カウンセリングにおいて共感的な態度で接することは非常に重要です。児童生徒の言動に対して感情的に反応するのではなく、まずは共感して聴き、理解を示すことが信頼関係を築くために必要です。

選択肢4. 作文や授業で制作した絵や造形物などの表現を通して児童生徒の理解に繋げる。

児童生徒が自己表現を通じて内面的な世界を表現することは非常に有益です。作文や絵、造形物などを通じて、児童生徒の感情や思考を理解する手助けになります。

選択肢5. 児童生徒の課題を深く理解するために、関係する教師が参加する事例検討会を開催する。

事例検討会を開催して教師と協力することは、児童生徒の理解を深め、効果的な支援方法を見つけるために重要です。チームアプローチが有効です。

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