公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問9
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
学習の転移の具体例として、最も適切なものを1つ選べ。
- 給食の時間に流れていた音楽が聞こえると、お腹が鳴る。
- フランス語の授業の後に英語の授業があると、発音を間違えてしまう。
- 隣家から怒鳴り声が聞こえてから、小さな物音がするだけでも気になるようになった。
- 目覚めに効果的なアラーム音を設定したが、1か月後には起きられなくなってしまった。
- 学校という場所が苦手であったが、大学生になり大学のキャンパスではリラックスできている。
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この過去問の解説 (3件)
01
学習の転移とは、ある状況で学習されたことが他の学習状況にも影響を与えることを言います。
そのため正解は、「フランス語の授業の後に英語の授業があると、発音を間違えてしまう。」となります。
これは古典的条件付けの例です。
給食(無条件刺激)の時間におなかが鳴る(無条件反射)という状態に、給食音楽(中性刺激)が対提示されたことで、給食音楽(条件刺激)とおなかが鳴る(条件反射)が条件付けされた状態です。
学習の転移として、適切な例です。
これは般化の例です。
怒鳴り声が聞こえたことで「隣家の物音刺激」に対して「気になる」という反応が条件付けされ、これまで気にしていなかった小さな物音も同一の刺激として「気になる」という反応が生じるようになっています。
これは馴化の例です。
同じ刺激が繰り返されることで、その刺激による反応が弱くなっている状態です。
これは、環境の変化を説明しているに過ぎず、学習の転移ではありません。
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02
「学習」とは、経験によって行動が変わること全般を意味します。一般には、勉強をイメージされることが多いと感じられますが、心理学では、勉強以外にもスポーツや音楽の技能、人間関係や生活習慣のスキルなどを身につけることも学習と広く捉えます。
「学習の転移」とは、先に学習した事がその後の学習に影響する事を言います。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
この選択肢は、「古典的条件付け」で説明できると考えられます。
古典的条件付けとは、『生理的な反応を引き起こす刺激』の前に『他の刺激』と与えるということを繰り返すと、『他の刺激』を受けるだけで、生理的な反応が生じるようになるという学習です。
この選択肢では、‘お腹が鳴る’が『生理的な反応』、‘給食の時間に流れていた音楽’が『他の刺激』と考えることができます。
正答です。
フランス語の授業で学習した事が、英語の授業に影響して誤りを起こしてしまうと考えられ、『学習の転移』の概念で説明できると言えます。
誤りです。
この選択肢は、『般化』が起きていると考えることができます。
『般化』とは、先に条件付けされた刺激がある場合に、その刺激と似たような刺激にも反応するようになることを言います。
ここでは、‘怒鳴り声’という刺激に不安や恐怖を感じるという学習をしており、‘小さい音’にも反応するようになっていると考えられます。
誤りです。
この選択肢は、『馴化』の状態を考えられます。
『馴化』とは、同じ刺激を繰り返し受けることによって、その刺激に対する反応が薄くなっていくことを言います。つまり、刺激に馴れるということです。
この選択肢では、アラーム音に馴れてしまい、起きることができなくなったと説明できます。
誤りです。
より自身に合った環境で過ごすことができるようになったための気分の変化と考えられます。『学習の転移』では説明できません。
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03
基礎心理学に関する設問です。
間違いです。古典的条件付けの例になります。
正解です。
間違いです。般化の例と考えられます。
間違いです。馴化(じゅんか)の例と考えられます。
間違いです。学習による転移とは思われません。
学習の転移とは、過去に学んだ知識や経験などがその後の新たな学習に影響を与える現象のことです。
転移には正の転移と負の転移があります。
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