公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問19

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

対象関係論に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 集合的無意識との関係を分析する。
  • 乳児期からの母子関係に注目する。
  • L. Binswanger によって発展の基盤が作られた。
  • 生物学的要因よりも社会文化的要因を重視する。
  • 重要他者との関係を時系列に沿って想起していく。

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この過去問の解説 (3件)

01

対象関係論では、乳児期からの母子関係に注目します。

他の選択肢についても確認しましょう。

選択肢1. 集合的無意識との関係を分析する。

不適切です。

集合的無意識を扱うのはユング心理学です。

選択肢2. 乳児期からの母子関係に注目する。

適切です。

対象関係論では、乳児期からの母子関係に注目します。

選択肢3. L. Binswanger によって発展の基盤が作られた。

不適切です。

L. Binswangerは現象学を精神の理解に応用し、現存在分析を創始しました。

選択肢4. 生物学的要因よりも社会文化的要因を重視する。

不適切です。

対象関係論では乳児の認知的な発達の程度という生物学的要因も重要な要素となっています。

選択肢5. 重要他者との関係を時系列に沿って想起していく。

不適切です。

時系列に沿って想起を促すのは回想法などにみられる方法です。

参考になった数3

02

対象関係論は、主体(自己)と対象(主に母)との関係性に焦点をあてる考え方です。乳幼児が対象をどのように捉え、関係性を理解していくかが研究されています。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 集合的無意識との関係を分析する。

誤りです。

集合的無意識とは、文化や国に関係なく人類が共通して持っている無意識のことを言い、ユングによる理論です。

選択肢2. 乳児期からの母子関係に注目する。

正答です。

対象関係論では、母子関係の築きにどのような過程があるか、母のどのような関わりが適切かという研究がされています。

選択肢3. L. Binswanger によって発展の基盤が作られた。

誤りです。

ビンスワンガーは、現存在分析の基盤を作ったことで有名です。

対象関係論は、メラニー・クラインから研究が始まったとされています。

選択肢4. 生物学的要因よりも社会文化的要因を重視する。

誤りです。

対象関係論で重視するのは、乳幼児と母との関係性です。

選択肢5. 重要他者との関係を時系列に沿って想起していく。

誤りです。

「時系列に沿って想起する」という手段は重視されません。乳幼児と母の内的な関係性に注目します。

参考になった数2

03

対象関係論についての設問です。

選択肢1. 集合的無意識との関係を分析する。

不適切です。

集合的無意識は、ユングが提唱した分析心理学における中心的な概念です。

選択肢2. 乳児期からの母子関係に注目する。

適切です。

対象関係論はフロイトの精神分析の理論を元に、乳児がどのようにして母との関係を構築していくのか、母という対象との関係、内的・心的関係が重視されます。

無意識、特に心の中にある対象イメージと自己との関係を扱います。

選択肢3. L. Binswanger によって発展の基盤が作られた。

不適切です。L.Binswangerは現存在分析を創始しました。

選択肢4. 生物学的要因よりも社会文化的要因を重視する。

不適切です。

「社会文化的要因を重視する」のは、ヴィゴツキーの社会文化理論です。

選択肢5. 重要他者との関係を時系列に沿って想起していく。

不適切です。

対象関係論では「重要他者との関係を時系列に沿って想起していく」という訳ではなく、内的・心的関係を重視します。

参考になった数2