公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問24
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
慢性期の統合失調症患者に対する心理的支援として、最も適切なものを1つ選べ。
- エクスポージャー
- 標準型精神分析療法
- 眼球運動による脱感作と再処理法〈EMDR〉
- サイコロジカル・リカバリー・スキル〈SPR〉
- ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉
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この過去問の解説 (3件)
01
慢性期の統合失調症患者には、無為、感情の平板化、意欲の低下、集中力や持続力の低下、社会適応の障害などの症状が見られます。心理的にも脆弱な状態ですので、心理療法の導入は慎重に検討される必要があります。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
『エクスポージャー』とは、『曝露法』とも呼ばれるものです。クライエント自身が、不安を感じる状態にあえて自分をさらす(曝す)ことによって、不安を低くしていく、無くしていくという方法です。不安症、強迫症、PTSDなどの状態の方に適用されることが多いです。
誤りです。
『標準型精神分析療法』では、自由連想法を用いて、無意識に触れながら課題の改善を目指していく手法です。
無意識に触れるため、心理的に脆弱な方には負担が大きいと言えます。よって、統合失調症の方には、症状悪化の可能性もあるため、積極的に取り入れられる手法ではありません。
誤りです。
『EMDR』では、PTSDの方などに用いられる手法です。
クライエントは外傷的な体験を想起しながら、支援者の援助を受けて眼球を動かしていきます。それによって、脳の情報処理が促され、外傷的な体験を乗り越えていくことが期待されます。
誤りです。
『SPR』とは、災害に遭った方を支援する方法の一つです。災害直後ではなく、回復を目指す時期に用いられるもので、災害後に起こりやすい問題に対処するためのスキルを伝えていきます。それによって、自己効力感を高めたり、回復を促進したりすることを見目指します。
正答です。
『SST』では、コミュニケーションの方法、薬の管理、困った場面での対処法、社会生活の力などを知ることを目的とします。慢性期の統合失調症の方は生活するための力に課題があることも多いですので、必要な支援と言えます。
心理療法には、どの状態のクライエントにも対応できる万能なものはありません。クライエントの状態や課題に合わせて、適切な方法を取り入れることが重要です。特に、統合失調症の方に対しては、無意識へ触れるような手法を避けるべき時期もありますので、主治医と十分に連携しながら対応することが求められます。
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02
心理的支援に関する設問です。
不適切です。
エクスポージャーは、不安の原因に段階的に慣れていくことで不安を解消していく方法です。
主に不安神経症や強迫神経症、PTSDなどの治療に用いられます。
適切ではありません。
精神分析療法は、統合失調症の改善には向かないとされています。
適切ではありません。EMDRは、PTSDなどトラウマの治療に用いられます。
適切ではありません。SPRは被災者の回復を支える心理支援法です。
適切です。
SST(社会生活技能訓練)は、日常生活における様々な場面での対人スキルなどを練習することで、生活しずらさからの社会的孤立や病気の再発を予防します。
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03
慢性期の統合失調症患者は、安定した生活を送ることができるようになる場合は多いです。しかし、陰性症状が残っていることも多いため、社会生活でトラブルにならないようにするための支援が必要です。
よって本問の正解は「ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉」となります。
不適切です。
エクスポージャーは曝露療法とも呼び、不安を感じる場面にあえて身を置くことで不安を減少させることを言います。
不適切です。
標準型精神分析療法とは自由連想法を用いて、洞察や気づきを得るものです。
不適切です。
EMDRはPTSDの治療に用いられる方法です。
不適切です。
SPRは災害後にサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)を実施した次の回復段階で必要とされる心理的支援を指します。
適切です。
SSTとは、モデリングやリハーサルといった手法を用いて社会的なスキルを獲得するための技法です。
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