公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問28
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問28 (訂正依頼・報告はこちら)
ある授業で、読み聞かせを中心とした教授法と、イラストを多用した教授法の学習成果を比較したところ、継次処理が優位な認知的特性を有する児童生徒は前者で、同時処理が優位な認知的特性を有する児童生徒は後者で、それぞれ学習成果が良好な傾向にあった。この現象を説明するものとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 潜在学習
- 分化強化
- 適性処遇交互作用
- Yerkes−Dodson の法則
- アンダーマイニング効果
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、「児童生徒個人の特性の違いによって、教授法の学習効果に違いが見られた」という現象が起きています。
この現象を説明できる選択肢を選びます。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
潜在学習とは、意識して学んだことでなくても、潜在的に学習されていることを言います。
学んだという意識がなくても、必要に応じてその知識や経験が使われることがあります。
例えば、意識していなくても、毎日通る道に並んでいるお店を覚えていて、必要となった時に、どこにお店があるかすぐに気づくことができるというような状況です。
誤りです。
分化強化とは、適切で望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らすために、強化と消去を活用する手段です。
例えば、学習させる対象者にやりたい事がある時に、望ましい方法でやりたい事を支援者に伝えられればやりたい事ができるけれども(強化)、不適切な方法で気持ちを表現した時にはやりたい事はできない(消去)のように、対象者の行動について強化と消去を与えるような方法です。
正答です。
適正処遇交互作用とは、学習者の学力や特性などの「適正」の違いによって、教授方法や内容、教材などの「処遇」の効果も変わることを言います。
よって、問題文の現象は「適正処遇交互作用」が起きていると説明することができます。
誤りです。
ヤ―キース・ドットソンの法則とは、適度な刺激(ストレス、意欲など)を受けながら物事に取り組むことによって、より良いパフォーマンスができるという考え方です。
誤りです。
アンダーマイニング効果とは、自分の内的な動機によって活動していたはずなのに、それに対する報酬を受けてしまうと、その報酬が活動の動機となってしまい、結果的に本来の内的な動機が失われてしまうというものです。
「抑制効果」「過正当化効果」とも呼ばれます。
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02
個人の認知特性や能力の違いによって学習方法の成果に違いがみられることを「適性処遇交互作用」と呼びます。
不適切です。
潜在学習とは、実際には目に見えた学習効果がないようでも経験は蓄積されており、潜在的に学習が進んでいることをいいます。
不適切です。
分化強化とは、好ましい行動を増やし、一方で好ましくない行動を減らすことです。
上述のように適切な選択肢です。
不適切です。
Yerkes−Dodson の法則とは、適度なストレスを受けているときのほうがパフォーマンスが高まるという法則です。
不適切です。
アンダーマイニング効果とは、当初は満足感や楽しさなどの内発的動機に基づいて行っていた行動に対して、金銭などの外発的報酬を受けることで内発的動機付けが低下する現象です。
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03
学習や認知に関する設問です。
不適切です。潜在学習はトールマンのネズミの迷路実験で有名です。
不適切です。分化強化は応用行動分析の用語です。
望ましくない行動を消去し、望ましい行動を強化することです。
適切です。
適性処遇交互作用(Aptitude-Treatment Interaction: ATI)は、教育心理学者のクロンバックにより提唱されました。
個人差を考慮した教育や治療の重要性を強調しています。
不適切です。
Yerkes−Dodson の法則はストレスに関する普遍的な法則とされています。
ストレス(問題や課題)が大きくても小さくてもパフォーマンスは低く、適度なストレスによりパフォーマンスが増し、ストレスとパフォーマンスは逆U字曲線をえがきます。
不適切です。
アンダーマイニング効果とは、内発的動機で行っていた行為に対して報酬を与えると意欲が低下してしまうことです。
心理学用語は整理して覚えておきましょう。
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