公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問37

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者において薬物による有害事象が増加する原因の説明として、適切なものを1つ選べ。
  • 体脂肪率の低下
  • 体水分量の増加
  • 薬物吸収の低下
  • 薬物代謝の亢進
  • 薬物排泄の減少

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この過去問の解説 (3件)

01

薬物による有害事象とは、医薬品を服用した後に起きる健康問題を言います。

高齢者には次のような原因で有害事象が起きやすくなるとされています。

・複数の疾患を抱えるために多くの種類の薬を使う。

・慢性的な疾患により長期に服薬している。

・臓器などの機能が低下する。

 

この問題では、身体の変化による原因について尋ねています。薬物の投与から排泄までの過程に関連する身体の変化は次のようなものが挙げられます。

・体脂肪量が増えるために薬物が蓄積されやすくなる。

・肝機能が低下するために代謝も低下する。

・腎機能が低下し、薬物が体内に蓄積されやすくなる(排泄されにくくなる)。

・水分量が減少し、血中濃度が上昇しやすくなる。

 

よって、選択肢の中では「薬物排泄の減少」が適切と考えることができます。

 

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02

高齢者では、薬物が効きやすくなる傾向があります。

その原因としては、下記があげられます。

・薬物の分解、吸収能力の低下(肝臓の機能低下)

・薬物の排出能力の低下(腎臓の機能低下)

・体水分量の減少のため体脂肪率が上昇し、脂肪に薬が残りやすくなる

よって正解は「薬物排泄の減少」となります。

選択肢1. 体脂肪率の低下

上述のとおり、不適切です。

選択肢2. 体水分量の増加

上述のとおり、不適切です。

選択肢3. 薬物吸収の低下

上述のとおり、不適切です。

選択肢4. 薬物代謝の亢進

上述のとおり、不適切です。

選択肢5. 薬物排泄の減少

上述のとおり、適切です。

参考になった数3

03

高齢者に関する設問です。

選択肢1. 体脂肪率の低下

不適切です。

選択肢2. 体水分量の増加

不適切です。

選択肢3. 薬物吸収の低下

不適切です。

薬物の吸収が低下することで薬物有害事象が起こるとは考えられません。

選択肢4. 薬物代謝の亢進

不適切です。

薬物代謝が亢進することで有害事象が起こることは考えられません。

選択肢5. 薬物排泄の減少

適切です。

薬物排泄が減少して、有害事象が起こる可能性はあります。

まとめ

薬物による有害事象とは、薬を服用したことにより健康問題が生じることです。

体内に薬がたくさんあるために起こると考えられます。

高齢者では体脂肪が低下し、体内の水分量が低下します。

また、身体機能も低下していくので、薬の代謝が低下し適切に排泄することができないと考えられます。

また、薬の効きを認知する機能の低下や診察時に自身の状態を主治医に伝えることができないといったことから、慢性疾患による長期多剤投与が行われることがあります。

薬が体内に残る要因として、体脂肪に蓄積される、薬の代謝がされない、薬が排泄されないなどが考えられます。

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