公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問47

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

更生保護の内容として、誤っているものを1つ選べ。
  • 恩赦
  • 保護観察
  • 更生緊急保護
  • 特別改善指導
  • 仮釈放・仮退院

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この過去問の解説 (3件)

01

更生保護とは、犯罪・非行を行った人が社会復帰できるように支援したり、そのような人々を地域が受け入れられるように理解を得られるような活動を行ったりすることです。

選択肢1. 恩赦

適切です。

本人の態度や行動から、再犯リスクがなくなったと判断された場合には、恩赦によって刑の免除等が行われます。

選択肢2. 保護観察

適切です。

保護観察では、犯罪・非行を行った人が更生できるように監督、援助を行います。

選択肢3. 更生緊急保護

適切です。

更生緊急保護とは、釈放後に家族の援助を受けられない等で生活が困難になる際に一時的に宿泊などの援助を受けられる制度です。

選択肢4. 特別改善指導

不適切です。

特別改善指導とは、受刑者に対して服役中に行う指導で、再犯を防ぐために行われるものです。社会復帰支援の手前にあるものと言えます。

選択肢5. 仮釈放・仮退院

適切です。

一時的に釈放・退院し、その間は保護観察対象となり監督・指導を受けることができます。これによって円滑な社会復帰を促すことができます。

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02

この問題は、主に「更生保護 地域社会とともに歩む(法務省保護局のパンフレット)」を参考に考えていきます。

 

更生保護とは、「犯罪や非行をした人を社会の中で適切に処遇し、地域社会の理解・協力を得て、自立し改善更生することを助けることにより、安全安心な地域社会を作る」ことを言います。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 恩赦

更生保護に含まれます。

「恩赦」とは、罪を犯した人が自らの過ちを深く悔い、行状を改め、再犯のおそれがなくなったと認められる状態になった場合などに、被害者や社会の感情も十分に考慮した上で、制限された資格を回復させたり、残りの刑の執行を免除したりするものを言います。これは、罪を犯した人にとって更生の励みになります。

選択肢2. 保護観察

更生保護に含まれます。

「保護観察」とは、罪を犯した人や非行の少年が社会で更生できるよう、保護観察官や保護司の支援、指導を受けるものです。保護観察処分少年、少年院仮退院者、仮釈放者、保護観察付執行猶予者などが支援を受けます。

選択肢3. 更生緊急保護

更生保護に含まれます。

「更生緊急保護」とは、刑務所から満期釈放された人などが生活に困窮し、再犯に至ることがないよう、一定の期間、宿泊場所や食事の提供、就職の援助などの支援や指導を受けるものです。

選択肢4. 特別改善指導

更生保護には含まれません。

「特別改善指導」とは、刑事施設における矯正指導の一つです。薬物依存がある、暴力団員である、性犯罪を犯しているなどの事情がある受刑者に対して、特に配慮した指導を行うものです。

よって、この問題での正答となります。

選択肢5. 仮釈放・仮退院

更生保護に含まれます。

「仮釈放・仮退院」とは、刑務所や少年院に収容されている人を仮に釈放・退院させる制度です。仮釈放・仮退院の期間中は、保護観察の対象となり、必要な指導や支援をうけながら社会復帰を目指します。

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03

司法分野に関する設問です。

選択肢1. 恩赦

恩赦は更生保護にあたります。

恩赦とは、刑事裁判において有罪判決を言い渡された者に対して、自らの過ちを悔い改め再犯の恐れがなくなった場合などに被害者や社会の感情も十分に考慮した上で残りの刑を免除したり、有罪判決で制限された資格を回復させたりすることです。

選択肢2. 保護観察

保護観察は更生保護にあたります。

保護観察とは、犯罪・非行を行った者を保護観察官や保護司の支援・指導により、更生・社会復帰を促進するものです。施設入所せずに、家庭などで生活を送りながら行う社会内処遇であることも特徴です。

選択肢3. 更生緊急保護

更生緊急保護は更生保護にあたります。

更生緊急保護とは、刑期を明けた者や執行猶予や不起訴になり拘束を解かれた者が再犯を犯すことがないように速やかに保護することです。帰住の斡旋、金品の給貸与、宿泊の供与などがあります。

選択肢4. 特別改善指導

特別改善指導は更生保護にあたりません。

特別改善指導は、刑事施設(刑務所や少年刑務所、拘置所)内で行われる矯正プログラムです。特定の事情を有する受刑者に対し行われる指導です。薬物依存離脱指導、性犯罪再発防止指導、暴力団離脱指導、被害者の視点を取り入れた指導、交通安全指導、就労支援指導があります。

選択肢5. 仮釈放・仮退院

仮釈放・仮退院は更生保護にあたります。

刑事施設に入所・入院している者が、収容期間満了前に仮に釈放・退院することです。

まとめ

更生保護とは、非行や犯罪を犯した者を社会内で様々な働きかけを行うことにより再び社会の一員として更生させること、かつそのことによって社会を防衛することとされています。仮釈放制度、保護観察、更生緊急保護、恩赦制度がこれにあたります。


 

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