公認心理師の過去問 第6回 (2023年) 午前 問51
この過去問の解説 (3件)
バーンアウトとは、1970年代にアメリカの精神心理学者であるフロイデンバーガーが提唱し、その後マスラックとジャクソンにより「対人職に生じる情緒的消耗感・脱人格化・個人低達成感の低下」と定義された概念です。
日本語で「燃え尽き症候群」と訳されます。
看護師や教師など対人援助職に多いとされ、仕事からくる過度のストレスにより、それまで打ち込んでいたことに対して打ち込めなくなり、心身に支障をきたし社会に適応できなくなる状態を指します。
バーンアウトを予防するには周囲に援助要請を出せることが大事なので、適切です。
自分のペース以上の速さで業務を進めることはバーンアウトを誘発する可能性がありますので、不適切です。
業務時間・量が加重になるとバーンアウトを招きやすいので、負担にならないようにすることは適切です。
仕事から離れてストレス発散することはバーンアウトの防止に繋がりますので、適切です。
昨今の教育現場は、様々な問題を抱えています。
いじめ・不登校対応、特別支援教育や外国人児童生徒への対応、ICTの活用、保護者への対応などに追われ、教職員はバーンアウトを起こしやすい状況にあります。
公認心理師が学校現場に対して支援を行う際は、このことを心得て教職員と関わる必要があります。
バーンアウトとは、ずっと仕事熱心だった人が、急に仕事への意欲をなくしてしまう、無気力になってしまう状態を言い、燃え尽き症候群とも呼ばれます。常に疲れている、出勤できない、仕事の質が落ちる、他者への態度が変わるなどの様子が見られます。
バーンアウトにかかりやすい人は、真面目で完璧主義、責任感が強いなどの性格傾向にある人と言われます。また、仕事に慣れていない、心身への負担が大きいなどの環境も原因となる場合があります。
予防するためには、自分に合った量や方法で仕事をする、困った時には助けを求める、仕事とプライベートの区切るをつけるなどの事に気を付けながら働く事が効果的です。生活面では、食事や睡眠をきちんととる、趣味などの楽しい時間を持つなどの意識をする事が大切です。
では、選択肢を見てみましょう。
適切な方策であり、この問題では誤りです。
困った時に助けを求めやすい職場環境を整える事が大切です。
不適切な方策であり、この問題では正答です。
同じ業務でも、人によって作業スピードは異なるものです。その人に合ったペースで取り組む、業務量が多い時には他の人に振り分けるなどの対応が必要です。
適切な方策であり、この問題では誤りです。
適度な時間や量で働く事ができるように調整する事が求められます。
適切な方策であり、この問題では誤りです。
帰宅後や休日には自身のケアを行う事が効果的です。職場としても、休日に出勤する、残業する事が当たり前にならないような環境作りが大切です。
教職員の仕事は、体力的にも、心理的にも負担が大きくなりやすく、バーンアウトやうつ病にかかる可能性が高い職業と言えます。学校現場で働く公認心理師は、児童生徒や保護者の援助が主な仕事となりますが、必要に応じて、バーンアウトやうつ病を予防するための環境作りや教職員個人のメンタルヘルスにも気を配る事が求められる場合もあります。基本的な知識をよく学んでおきましょう。
正答は「業務処理が速い教職員のペースに従わせる。」です。
これは有益な方策です。
教職員が援助を求めやすくすることで、ストレスや心理的な負担に早期に対処できるようになります。
教職員に対して過度な業務負担をかけ、仕事のペースを速めることがバーンアウトを引き起こす可能性があるためです。
適切な方策は、むしろ業務負担の適正化やバランスを保ち、教職員が十分な休息やストレス発散ができる環境を整備することが求められます。
業務負担の適正化は重要です。
仕事の量や時間が適切でないと、教職員が十分な休息をとれず、バーンアウトのリスクが高まります。
教職員が自己ケアを行いやすい環境を整備することも大切です。
休息や気分転換が容易な場所や時間を確保することで、メンタルヘルスの維持が期待できます。
総じて、教職員のメンタルヘルスを守るためには、適正な業務負担、援助体制の整備、自己ケアの機会の提供が重要です。
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