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公認心理師の過去問 第6回 (2023年) 午前 問63

問題

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32歳の女性A。公認心理師にカウンセリングを受けている。Aは、実家に泊まったときのことを語った。夕食時、父親は機嫌良くしていたが、母親は陰うつで、口を開くと体調の不安をこぼすばかりで、Aにはうっとうしく感じられた。Aは母親からもう1日泊まるように勧められたが、仕事があると嘘を言って早朝に発った。その後、帰宅途中にある生花店で、母親の好きな花が目に留まり、母親宛に花束を贈ったという。
帰宅途中にとったAの行動を説明する精神分析学の概念として、最も適切なものを1つ選べ。
   1 .
現実検討
   2 .
失錯行為
   3 .
自由連想
   4 .
防衛機制
   5 .
幼児性欲
( 公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問63 )
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この過去問の解説 (3件)

2

この事例では、まず女性Aの母親へ対する思いと行動を整理しましょう。

・母親に対して「うっとおしい」という感情を持っています。

・仕事があると嘘をついてまで、母親から早く離れようとしています。

・母親に対して、花束を贈っています。

女性Aは、「母親に対して不快な感情を持っていながらも、贈り物をした」と整理する事ができます。

この状況に当てはまる語を選択しましょう。

選択肢1. 現実検討

誤りです。

現実検討とは、実際に自分に起きている事を適切に理解する力の事を言います。統合失調症などの方は、この現実検討の力が弱まり、現実と空想の境が曖昧になるような場合があります。

これは、女性Aの状態には当てはまりません。

選択肢2. 失錯行為

誤りです。

失錯行為とは、自分でも思いがけないような行動や誤りをしてしまう事と言います。例えば、「会議を始めます」と言うべきところを「会議を終わります」と誤ってしまうような場面です。無意識にある’会議が早く終わってほしい’という気持ちが無意識の誤りを引き起こすという考え方をします。

これは、女性Aの状態には当てはまりません。

選択肢3. 自由連想

誤りです。

自由連想とは、刺激に対して自由に思いを巡らせる事を言います。それを言語化するよう促して治療していく手段は自由連想法と呼ばれます。

これは、女性Aの状態には当てはまりません。

選択肢4. 防衛機制

正答です。

防衛機制とは、心の安全を保とうとするために働く心の機能を言います。不快な感情や危険などを避けようとするための働きです。

この女性Aにとって、母に対する「うっとおしい」「離れたい」という感情は’自分では認めがたい感情’と考えられます。その認めがたい感情を「贈り物をする」という行動によって消そうとしたと推測され、このような手段を防衛機制の「打ち消し」と呼びます。

選択肢5. 幼児性欲

誤りです。

幼児性欲は、幼児期に見られる性的傾向です。口唇期、肛門期、男根期と分けられ、それぞれの時期特有の性欲があるという考え方です。

これは、女性Aの状態とは関係がないと考えられます。

まとめ

防衛機制は心理学の基本的な知識の一つです。自分自身も生活の中で自然と使っているものとも言えます。防衛機制には、打消しの他にも補償、否認、置き換え、知性化、投影、退行、抑圧など様々な手段があり、人によって使いやすい手段が異なります。クライエントを理解する際にも、不快な感情や受け入れがたい状況に対してどのように対処しているのかを防衛機制の観点から見立てる事もできますので、よく学んでおきましょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
1

それぞれの概念に基づいてAさんの行動を考えてみます。

選択肢1. 現実検討

Aさんが実家を早く出て花束を贈る行動について、直接的に現実を考慮して行動したとは言い切れません。この行動は現実的な解決策を模索して行ったとは言い難いです。よって不適切な解答です。

選択肢2. 失錯行為

行動が何らかの失錯や誤解に基づいて起こったわけではなく、特定の精神的メカニズムに関連するとは言えないように思えます。よって不適切な解答です。

選択肢3. 自由連想

花束を贈る行動は、自由連想の概念とは異なります。自由連想は無秩序な思考や想像力の表れであり、このような特徴はAさんの行動には当てはまりません。よって不適切な解答です。

選択肢4. 防衛機制

正解です。

Aさんが母親への感情や自身の感情に対処するために花束を贈った行動は、防衛機制の一部として考えられます。彼女の母親がうっとうしく感じられたと述べたが、その後で何か良いことをして母親への感情を軽減させようとする行動は、不快な感情に対処するための防衛機制の一種と見なされることがあります。

選択肢5. 幼児性欲

Aさんの行動を幼児性欲の概念に結びつけるのは適切ではありません。幼児性欲はフロイトの理論であり、この特定の行動に関連付けるのは無理があるように見受けられます。

まとめ

彼女が母親との不快な体験に対処しようとして花束を贈る行動は、不快な感情に対する一種の防衛と考えられるかもしれません。

0

「仕事があると嘘を言って早朝に発った。その後、帰宅途中にある生花店で、母親の好きな花が目に留まり、母親宛に花束を贈った」というのがどの概念に当てはまるのかがポイントになります。

選択肢1. 現実検討

現実検討とは、「主観のイメージが客観的な事実と一致しているか」を検討する機能のことですので、不正解です。

選択肢2. 失錯行為

失錯行為とはフロイトが呼んだ概念で「思いがけない間違い」を指しますので不正解です。

選択肢3. 自由連想

自由連想とは、フロイトが行った精神分析療法の中の基本技法であり、「ある言葉から連想されることを自由に発言させる」方法ですので不正解です。

選択肢4. 防衛機制

「嘘を言った後、母親の好きな花を買って帰った」のは防衛機制の「打ち消し」に当たりますので、正解です。

選択肢5. 幼児性欲

幼児性欲はフロイトの発達論の概念ですので、不正解です。

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