公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問72
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
40歳の男性A。飲酒に関する問題について、開業している公認心理師Bのもとを訪れた。Aは、「妻が強く勧めるので仕方がなく相談に来ただけだ」と言い、仕事上のストレスからたまにアルコール飲料を飲み過ぎて失敗することがあるが、大した問題ではないと繰り返し述べた。
J. O. Prochaska らの行動変容ステージに基づいた、Bの初期対応として、不適切なものを1つ選べ。
J. O. Prochaska らの行動変容ステージに基づいた、Bの初期対応として、不適切なものを1つ選べ。
- 飲酒行動の利点について尋ねる。
- 飲酒行動をスモールステップで減らしていく計画を立てる。
- 飲酒行動が生活に及ぼす否定的影響についての気づきを促す。
- 話された内容にかかわらず、相談に来たという行為そのものを肯定する。
- 問題の認識を回避するためにAがどのようなことをしているかに気づかせる。
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この過去問の解説 (2件)
01
行動変容ステージに基づく初期対応で、不適切なものはどの選択肢かを検討していきます。
行動変容ステージに基づく初期対応では、問題の認識を促すことが重要です。そのため、適切な行動といえます。
正解です。
スモールステップで飲酒行動を減らす計画を立てることで、積極的な対応を意味しますが、今は初期対応の段階ですのでこの場合は不適切な行動といえます。
否定的影響についての気づきを促すもので、問題の認識を高めるためのアプローチです。よって適切な行動です。
Aが相談に来たことを肯定することで信頼関係を築こうとする試みであり、適切な行動と言えます。
問題の認識を促す意図を持っており、初期段階での対応としては適切といえます。
初期段階では問題の存在を理解させ、自覚を促すことを目指しています。そこから具体的な計画や行動へとつなげていきます。
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02
J.O.Prochaskaの行動変容ステージとは、人が行動を変えていく過程で5つのステージがあるという考え方です。
1、無関心期(行動を変える事へ全く興味がない)
2、関心期(行動を変える事に関心はあるが、実行する考えはない)
3、準備期(行動を変えるために実行したいと思っている)
4、実行期(行動を変え始めるが、継続する自信がない)
5、維持期(行動が変わり、継続する自信もある)
保健指導や依存症の方への支援などでは、クライエントの行動変容ステージに合わせた働きかけをしていきます。
この事例の男性Aは、自身のアルコール飲料の飲み過ぎについて、「大した問題ではないと繰り返し述べる」という状態で、行動変容ステージでは「無関心期」の時期と考えられます。
無関心期のクライエントへは、行動変容のための具体的な話をしても実践にはつながりにくいと言えます。まずは、支援者との信頼関係を築く、クライエントの考えや生活を理解しようとする、クライエントに合わせた情報提供をするなどの関わりが必要です。
これらの点から考えると、選択肢の「飲酒行動をスモールステップで減らしていく計画を立てる」は無関心期の関わりとしては不適切であり、この問題では正答と言えます。
それ以外の選択肢は、男性Aを理解しようとする、信頼関係を築くことを目的とした関わりと考えられます。
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