公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午前 問74

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

18歳の男性A、大学1年生。授業の内容が分からないと訴え、定期試験前に学生相談室に来室し、カウンセラーBが初回面接を行った。Aは、「課題として出されるレポートをどのように書いたらよいかも分からず、未提出の課題がいくつもある。また、一人暮らしであり、スケジュール管理ができず、遅刻なども多い。友人との交流もほとんどなく、所属する学部学科の教員にも相談していない。毎日がつらくて、夜もあまり眠れていない」と語った。Bは、Aに面接の継続を勧めた上で、抑うつ症状への対応のために、精神科医を紹介した。
現時点でBが検討すべきAへの支援内容として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 学部や学科の変更
  • サークルや部活動への参加
  • 修学上の問題に合わせた対応策の調整
  • 就職活動のための自己分析シートの作成

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この過去問の解説 (3件)

01

Aは学業上の問題や一人暮らしでのスケジュール管理に困難を抱えており、これらの問題を中心に支援を行う必要があります。

それでは各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 学部や学科の変更

この段階では、学部や学科の変更は支援策としては早急すぎるかもしれません。

まずは現在の学業や生活上の問題に対処し、それから学部や学科の変更を検討する余裕を持つことが重要です。

よって不正解となります。

選択肢2. サークルや部活動への参加

サークルや部活動への参加は、社交的なつながりや趣味を持つことで精神的な健康をサポートする点で有益ですが、Aが抱える学業上の問題や精神的な負担に直接的な解決策を提供するには及びません。

よって不正解となります。

選択肢3. 修学上の問題に合わせた対応策の調整

正解です。

Aは学業上の問題や一人暮らしでのスケジュール管理に困難を抱えており、これらの問題を中心に支援を行う必要があります。

具体的には、学業面でのサポートやスケジュール管理の方法、課題提出のアプローチ、ストレス管理など、彼のニーズに合わせたサポートを提供することが重要です。

選択肢4. 就職活動のための自己分析シートの作成

現時点でAにとってより重要なのは、学業や日常生活の問題への対処です。

将来の就職活動についての自己分析は重要ですが、現時点での優先事項ではありません。

よって不正解となります。

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02

この事例の男性Aには、抑うつ症状が見られています。

男性Aが精神科へ通院しながら大学生活を継続できるように、学生相談室として支援できる内容を検討します。

選択肢1. 学部や学科の変更

誤りです。

抑うつ症状は、レポートが書けない、遅刻が多いなどの状況がきっかけで生じていると推測されます。学部や学科が要因となっているものではありませんので、現状では変更を検討するべきではないと考えられます。

また、抑うつ症状がある時には、適切な判断や考えができない場合もありますので、重大な決断は避けた方が良いとされます。

選択肢2. サークルや部活動への参加

誤りです。

男性Aが望むのであれば引き止めるものではありませんが、カウンセラーが積極的に提案する支援ではないと言えます。抑うつ症状がある状態で新しい人間関係を築く事は負担が大きいですし、レポート提出や遅刻について対応が優先と考えられます。

選択肢3. 修学上の問題に合わせた対応策の調整

正答です。

男性Aの大きな課題として、レポートの書き方がわからない、スケジュール管理ができない、遅刻が多いなどがあげられます。男性Aにとっては要領をつかめずに苦労している事柄の様子です。まずは、これらの課題について、カウンセラーだけでなく、授業を担当する教員や学生の履修を担当する教員などの援助を受けながら、具体的な対応策を取り入れていく事が良いと考えられます。

選択肢4. 就職活動のための自己分析シートの作成

誤りです。

男性Aは、まだ入学したばかりであり、就職活動を目的とした活動の時期ではないと考えられます。

まとめ

公認心理師が働く職場は、教育、医療、福祉、矯正など多岐に渡ります。それぞれの職場の機能、公認心理師の役割を的確に捉えて、クライエントの支援を行う事が重要です。

参考になった数1

03

大学は高校よりもさらに、主体的で自律的な行動が求められ、学ぶ内容も高度化していきます。

そのため、入学して「勉強がわからない」「レポートの書き方がわからない」「スケジュール管理ができない」学生は多く、中には他者との接触が減少して引きこもり状態やうつ的な状態になる場合もあります。

対応について見ていきましょう。

選択肢1. 学部や学科の変更

まだ1年時の始めですので、大学生活で必要なスキルを一緒に考え、実行に導くことが優先されます。

その上で必要に応じて大学と話し合い、転部や転科を検討することになります。

よってこの答えは不正解です。

選択肢2. サークルや部活動への参加

抑うつ状態になっている学生に対し、集団への参加を進めることはかえってストレスになることもありますので、この解答は不正解です。

選択肢3. 修学上の問題に合わせた対応策の調整

この学生が相談に至ったきっかけは、「授業がわからない」など修学上の問題ですので、これに取り組む必要があります。

よってこの解答が正答です。

選択肢4. 就職活動のための自己分析シートの作成

1年時初めの課題としては、やや早すぎる内容です。

そして、本人の主訴とも離れていますので不正解です。

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