公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問9
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
文や文章の認知処理におけるスキーマの活性化に関連する用語として、最も適切なものを1つ選べ。
- 韻律情報
- 共同注意
- 照応解決
- 心的辞書
- 物語文法
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この過去問の解説 (3件)
01
認知心理学に関する問題です。
スキーマとは、「その人が過去の経験に基づいて作った、情報や知識の枠組み」のことです。
それでは解答を見ていきましょう。
韻律情報とは、韻やリズム、抑揚、長短、アクセントなどの音声の情報のことです。
この解答は不正解です。
共同注意とは、「他者が見ているものに対して自分も同じように関心を向けること」です。
この解答は不正解です。
照応解決とは「代名詞や指示語が指す内容を認識することです。
この解答は不正解です。
心的辞書 (メンタル・レキシコン)とは、人が脳内に保持している単語や語彙の集まりのことです。
心的辞書は「単語の認知処理」には役立ちますが、「文や文章の認知処理」とは違いますので、不正解です。
物語文法とは、「物語スキーマ」としてラメルハートが提唱したものをソーンダイクが更に細かく分類して提唱した概念です。
「物語はある規則に基づいて構成されており、その規則を知ることでわかりやすくなる」という考え方で、「物語を知るための枠組み」のことを物語文法と呼びます。
この解答が正解です。
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02
スキーマの活性化は、個々の人が持つ知識や経験に基づく心的な枠組みやモデルです。スキーマは、特定の状況や事象に関する我々の予想や理解を形成し、それらの情報を整理するための枠組みを提供します。上記をふまえ、各選択肢を確認していきます。
韻律情報(intonational cues):言語における韻律や抑揚の情報であり、音声の変化やリズムなどが含まれます。これは文の意味や文脈を理解するのに役立つことがありますが、本問においては不正解となります。
共同注意(joint attention):複数の人が同じ対象や情報に注目する能力や状態を指します。例えば、会話中に話題になっているものに複数の人が注目することで、共同注意が生じます。本問においては不正解となります。
照応解決(anaphor resolution):文中で言及された名詞や代名詞が何を指しているかを理解し、適切に結びつけることです。文章中での前後関係や文脈を考慮して、指示された対象を特定することが含まれます。本問においては不正解となります。
心的辞書は、個々の人が持つ情報や知識の体系であり、その人の経験や知識が形成する、概念のネットワークです。文や文章を理解する際に、読者の心的辞書が活性化され、そこに含まれる情報や知識がもたらされ、理解や意味付けが行われます。本問においては不正解となります。
正解です。
物語文法(narrative grammar):物語やストーリーの構造を理解するための文法的枠組みや原則です。物語の流れや要素、時間の経過などが文法的な規則として考えられることがあります。
物語文法とスキーマの活性化は、文や物語の理解において密接に関連しています。物語文法が物語の構造を示し、スキーマが読者の理解を補完し、物語を意味づける上で相互に作用します。
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03
スキーマとは、それまでに経験した事や情報をまとまりとして捉えたものです。
物事の概念、日常生活の場面ごとの行動パターンなど、いろいろな事についてスキーマを使う事によって、スムーズに状況理解ができたり、新しい場面でも適応しやすくなったりします。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
韻律情報とは、話す時のリズムやテンポ、イントネーションなど、文字には起こされないような情報です。話し手の感情や意図を伝える、話の流れを理解しやすくするなどの事に役立ちます。
誤りです。
共同注意とは、複数の人が同じものに同時に注意を向ける事を言います。
誤りです。
照応解決とは、「これ、あれ、こちら、そのように」などの指示語が表現している本来の意味を理解する事を言います。
誤りです。
心的辞書とは、個人の経験や学習において習得した言葉が知識として頭の中にあることを指します。
正答です。
問題文は、物語文法の説明として適切です。
文章理解の際に、どのように話が進んでいくのかについて文章理解のスキーマを持っている事により、理解しやすくなります。
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