公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問10
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
個人特有の認知的な枠組みに従い、環境の解釈と事象の予測を行い、自らの行動や環境を統制すると仮定している理論として、最も適切なものを1つ選べ。
- 相互決定論
- 暗黙の人格理論
- 社会的情報処理理論
- 心理性的発達段階理論
- パーソナル・コンストラクト理論
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、主に社会心理学に関する用語の理解について尋ねられています。
正答は「パーソナル・コンストラクト理論」です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
相互決定論は、バンデューラが提唱した理論です。
「行動」「環境」「個人」の3つの要因が互いに影響し合っており、その影響を受けて決定や結果があるという考え方です。
誤りです。
暗黙の人格理論は、ブルーナー、タギウリらによって提唱されました。
人の性格について、私たちが漠然と抱いている考え方や信念の体系の事を言います。血液型や容姿、職業などから、根拠はなくても、それに関連づけた性格を考えてしまう事です。
誤りです。
社会的情報処理理論は、ドッジにより提唱されました。
人は社会的な状況に対して行動を起こしますが、その行動までには6つのプロセスがあるという考え方です。「情報の符号化」「情報の解釈」「目標の明確化」「反応の提案」「反応の決定」「実行」というプロセスが示されています。
誤りです。
心理性的発達段階理論は、フロイトにより理論化されました。
性的欲求を中心とした心的発達の考え方です。性的欲求にも発達の段階があるとし、「口唇期」「肛門期」「男根期」「潜伏期」「性器期」の5段階の説明をしています。
正答です。
問題文はパーソナル・コンストラクト理論の説明と言えます。
パーソナル・コンストラクト理論は、ケリーによって提唱されました。
コンストラクトとは、認知的な構造の事を言っています。その認知的な構造が、個人によってそれぞれ異なるために、同じ状況を経験しても捉え方が異なるという事が起きると考えます。
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02
選択肢それぞれの理論について確認していきます。
相互決定論: 人と環境はお互いに影響し合い、その相互作用が行動や結果に影響を与えるという理論。本問では不正解となります。
暗黙の人格理論: 人々が他者の行動や特性に関する観念を持ち、それに基づいて対応する傾向があるという理論。本問では不正解となります。
社会的情報処理理論: 社会的な状況での情報の処理方法や社会的な情報の取り扱いに焦点を当てる理論。本問では不正解となります。
心理性的発達段階理論: 人間の発達は段階的であり、特定の段階を通過しながら成長していくという理論。本問では不正解となります。
正解です。
この理論は、人々が経験と情報を受け入れる際に、自分自身の認知的な枠組みや概念、そしてその個々の経験に基づいて環境や出来事を解釈すると仮定します。個人の認知的な枠組みは、その人の特定の経験や知識に基づいて構築され、環境や事象の解釈、予測、そして行動を制御するのに使用されます。
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03
正解は「パーソナル・コンストラクト理論」です。
相互決定論とは、「行動は、個人の要因と環境要因、さらにその行動そのものとの相互作用によって作られる」とする考え方です。
この解答は不正解です。
暗黙の人格理論とは、「人々が他者に対して漠然と抱いている性格の枠組み」のことです。
この解答は不正解です。
社会的情報処理理論とは、「人間が社会の中で様々な場面に遭遇することで情報を得ていくことで、次の行動を形作っていく」とする理論です。
心理性的発達段階理論とは、フロイトが提唱した「人間は、成長に伴い性的な快感を得ようとする欲求が生じ、その時期は5つに分けられる」とした理論です。
この解答は不正解です。
パーソナル・コンストラクト理論とは、「人間はそれぞれ個人的な枠組みを持っており、その枠組みに従って行動する」とした理論ですので、この解答が正解です。
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