公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問23
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
受け入れ難い感情や願望を意識しないで済むよう、逆の態度や行動をとる防衛機制として、最も適切なものを1つ選べ。
- 退行
- 否認
- 分裂
- 反動形成
- 投影同一化
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この過去問の解説 (3件)
01
防衛機制についての問題です。では解答を見ていきましょう。
退行とは、強いストレスなどによって、発達段階が戻ってしまったような行動を取ることです。この解答は不正解です。
否認とは、自分にとって不都合な状況が受け入れられず、避けることを指します。この解答は不正解です。
分裂とは、スプリッティングとも呼ばれ、「相手を全面的に信頼する一方で、思う通りにならないと激しく非難する」などの行動をとって、相反する感情を処理することです。この解答は不正解です。
反動形成とは、本心とは逆の態度や行動をとって、受け入れがたい感情や願望を意識しないようにすることです。この解答が正解です。
投影同一化とは、自分が受け入れられない感情など(嫌悪感や憎しみ、劣等感など)をあたかも相手が持っていると思い込んで、相手もその感情などを持つよう操作することです。この解答は不正解です。
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02
各用語の意味を確認していきます。
「退行」は、成熟した行動から未熟な行動への後退を意味します。本問においては不正解となります。
「否認」は現実を受け入れない心理的なメカニズムです。本問においては不正解となります。
「分裂」は自己を二つの異なる部分に分けて考えたり経験することで、自己の中の矛盾を調和させようとする防衛機制です。本問においては不正解となります。
正解です。
「反動形成」は、受け入れがたい感情や願望を抑圧し、その対極的な感情や行動を強調する防衛機制です。例えば、過度に不安を感じた場合、その不安を隠すために極端な自信を見せたり、あるいは、深い恨みを持っていることを否定し、その人物に対して優しい態度を示すことがあります。
「投影同一化」は、自分の感情や特性を他者に押し付け、それを自分自身のものだと認識することです。本問においては不正解となります。
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03
防衛機制とは、自分に欲求不満の状態、受け入れにくい状況が起きた時に、自分の心を守るために働く機能です。10程度の種類があり、人や状況によって用いられる種類は様々です。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
退行とは、実際の年齢よりも幼い精神状態のようにふるまう事です。
例えば、思い通りにならない事があった時に、子どものように泣きじゃくる、甘えるなどの様子が見られる場合です。
誤りです。
否認とは、受け入れがたい事実について認めようとしない、なかった事にしようとする事です。
例えば、自分の病気や自分の失敗などを認めようとしないなどの場合です。
誤りです。
分裂とは、一部の側面しか見ないようにする事です。
例えば、好意を寄せる人に対して、短所が見えているにも関わらず、良いところばかりを見ているような場合です。
正答です。
問題文は、反動形成の説明として適切です。
例えば、とても苦手だ、怖いと感じている人について、その人がいないところで過度に褒める、贈り物などをするなど、本心と合わない行動をする場合を言います。
誤りです。
投影同一化とは、自分の感情を相手に投影し、相手が自分に向けている感情だと感じる事です。例えば、自分が攻撃性を感じている相手に対して、その攻撃性が、’相手から自分に向けられている’と感じるような場合を言います。本来は、’自分が相手に攻撃性を向けている’のですが、その状況を受け入れられないために、相手から自分に向かっていると感じる事で心を守ろうとします。
防衛機制は心理学の基本的な知識の一つです。この概念を理解している事で、人間関係の不自然さを感じた時、クライエントの言動に違和感を持った時などに、アセスメントをしやすくなります。自分自身も自然と使っている防衛機制があると思われますので、自分の状態を振り返りながら学ぶと覚えやすいと考えます。
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