公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問41
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問題
公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問41 (訂正依頼・報告はこちら)
外来森田療法を行うセラピストの対応として、不適切なものを1つ選べ。
- クライエントの不安の裏にある欲望への気づきを促す。
- クライエントに実行可能な行動を起こすことを推奨する。
- クライエントが陥っている悪循環を断ち切るために話し合う。
- クライエントに不快な心身の症状が軽減するスキルを伝える。
- クライエントが日記に記載した内容についてコメントを伝える。
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この過去問の解説 (2件)
01
森田療法は、日本で始まった精神療法です。
対人恐怖症、強迫性障害、パニック障害などの症状に対して実施されます。
これらの症状がある方は、自身の中にある不安や恐怖を感じ、それによって必要な行動ができなくなる場合があります。それは、不安や恐怖を打ち消そうとするから行動できなくなると考え、自身の感情を「ありのまま」に受け入れながら、目的に向かって行動する事を目指していきます。
治療の基本は入院して実施する事ですが、通院しながら日常に森田療法の考え方を取り入れていく方法(外来森田療法)もあります。
この問題では、セラピストの適切な対応について問われています。
選択肢を見てみましょう。
セラピストの対応として適切です。
不安や恐怖は、よりよく生きたいという人間本来の願い(生の欲望)があるからこその感情と考えます。クライエントには、不安や恐怖と生の欲望は表裏の関係である事へ気づけるよう促します。
セラピストの対応として適切です。
クライエントが不安や恐怖をありのままに感じながらも、その裏にある生の欲望を生活の中で行動という形で発揮できるよう促していきます。
セラピストの対応として適切です。
森田療法では、不安を感じるとそればかりに注意が向いてさらに不安を強める、恐怖を感じた時に‘こうあるべき’という考えによって自分をさらに責めてしまうなど、自分の感情をコントロールしようとするからこそ悪循環が起きてしまうと考えます。この悪循環を断ち切るために、セラピストとクライエントが面接を重ねていきます。
セラピストの対応としては不適切です。よって、この問題では正答となります。
森田療法では、症状を軽減させる事でなく、感情をありのまま受け入れながら行動する事へ意識を向ける事を目指します。
セラピストの対応として適切です。
クライエントは日記に、その日の行動や考えた事を記します。セラピストは、それに対して支持的に励ましのコメントや助言を記していきます。
心理療法は様々な種類があります。それぞれの心理療法の基本的な考え方(理論)、実施方法などについて知識を持つ事で、クライエントに合う心理療法を検討できます。また、公認心理師自身も、自分が取り入れやすい心理療法をよく理解しておく事が大切です。
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02
森田療法の考え方についての理解が問われています。
森田療法では、症状の背後に共通の性格傾向があるとし、それを神経質性格と呼びます。
神経質性格では、動悸が起こると不安を覚えてさらに心臓に注意を向け動悸が増悪するといった悪循環が生じ症状が固定化・悪化するという精神交互作用がみられます。
このような「とらわれ」状態から脱し、「あるがまま」の姿勢を獲得できるように援助するのが森田療法です。
「あるがまま」の姿勢とは、症状や不安を排除しようとするのをやめ、そのままにして受け入れ、やるべきことを目的本位に行っていくことです。
気づきを促すことで、「とらわれ」からの脱却を促します。
不安や症状にとらわれるのではなく、今できることを考えることで「あるがまま」の姿勢を獲得するよう促します。
悪循環に気づき断ち切ることが森田療法では重要視されています。
「あるがまま」の姿勢に反しているため不適切です。
クライエントに気づきを促すため、日記の内容へのコメントを行います。
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