公認心理師の過去問
第6回 (2023年)
午後 問47

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問題

公認心理師試験 第6回 (2023年) 午後 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

DSM−5における注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 多動性の症状は、青年期に最も強くなる。
  • AD/HD の症状は、幼児期までに明らかになる。
  • 症状は、学校場面では、教師に対する反抗的態度、挑戦、敵意として表れる。
  • 幼児期早期の正常範囲の運動活動性は、AD/HD の症状との鑑別が困難である。

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この過去問の解説 (2件)

01

AD/HDは、注意力が足りない、衝動的で落ち着きがないなどの特徴がある発達障害です。

不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、混合型(不注意と多動性・衝動性両方の特徴がある)の3つに分類されます。

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 多動性の症状は、青年期に最も強くなる。

誤答です。

AD・HDの症状は幼児期で特に強くなりやすいとされています。

選択肢2. AD/HD の症状は、幼児期までに明らかになる。

誤答です。

診断されやすい時期は8~10歳ですが、不注意優勢型などにおいては、青年期以降まで診断されない場合もあります。

選択肢3. 症状は、学校場面では、教師に対する反抗的態度、挑戦、敵意として表れる。

誤答です。

学校で見られる様子としては、学業への取り組みの難しさ、登校意欲の低下などがあげられます。

具体的には、授業中に静かにしている事が難しい、動きのある学習を好む、課題をやり遂げる事が難しいなどの様子が見られる事があります。

選択肢4. 幼児期早期の正常範囲の運動活動性は、AD/HD の症状との鑑別が困難である。

正答です。

AD/HDの診断に当てはまらない幼児でも、幼少期は活発に行動する時期であるため、症状との鑑別は困難です。

まとめ

AD/HDと診断される割合は、子どもで3~7%、成人で2.5~4%とされています。

公認心理師は、AD/HDの特徴があるために生活で困っている方に出会う事も多いですので、その特徴や対応策、医療機関受診の必要性について知識を持っておく事が大切です。

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02

AD/HDの症状について整理しましょう。

不注意、多動性の症状がありますが、大人になってからではなく子どものころから症状がみられることが診断には必要です。

ただし、幼少期にはAD/HDでなくとも多動性が見られることが多いため鑑別は難しくなります。

また、これらの症状は誰かへの反抗としての行動でも、課題や指示を理解できないゆえの行動でもありません。

なお、DSM5の診断基準は下記のようになっています。

①「不注意」と「多動-衝動性」が同年齢の発達水準と比べて頻繁に強く認められること

②症状のいくつかが12歳以前より認められること

③2つ以上の状況において障害となっていること

④発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること

⑤その症状が他の精神疾患で説明されないこと

選択肢1. 多動性の症状は、青年期に最も強くなる。

多動性は青年期よりも前に強くあらわれ、その後落ち着いていくことが多いとされています。

選択肢2. AD/HD の症状は、幼児期までに明らかになる。

幼児期まででは判別することができません。

選択肢3. 症状は、学校場面では、教師に対する反抗的態度、挑戦、敵意として表れる。

AD/HDの症状は反抗的態度などによるものとは区別されています。

選択肢4. 幼児期早期の正常範囲の運動活動性は、AD/HD の症状との鑑別が困難である。

幼少期の間は多動性の正常範囲が広いため鑑別は困難です。よって適切な記述です。

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